過去ログ - 鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」
1- 20
19: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:26:58.65 ID:xxHx5Jku0

レッスンはそのまま、滞りなく終了した。

普段なら部屋に戻り読書をするところだが、時計を見ると、恐らくまだ茜はダンスレッスンをしている時間だった。
自身の練習時間を割いてまでこちらのレッスンを見学してくれたのだ、挨拶の1つくらいはするのが妥当だろう。
以下略



20: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:27:33.79 ID:xxHx5Jku0

ふいに聞こえた自分の名前に、全身がビクッと硬直する。
思わずドアノブから手を引き、耳を澄ませてしまう。

「私には絶対あんな雰囲気は出せません……! 感動しました!!」
以下略



21: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:28:27.77 ID:xxHx5Jku0
――――――――――――――――――――


少し、時間は巻き戻る。

以下略



22: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:29:10.78 ID:xxHx5Jku0

自分はアイドルの売り出し方などについて、全くの素人だ。
だが、流石に分かる。この燃えるような熱い少女と、内向的で消極的な自分が噛み合うはずがない。

どう考えても、自分では彼女の良さを殺してしまう。もっと合うアイドルを即刻スカウトして組ませるべきだ。
以下略



23: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:29:47.77 ID:xxHx5Jku0

思い込み? 固定観念?

いや、そのような形式ばった言葉で逃げてはいけない。

以下略



24: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:30:36.06 ID:xxHx5Jku0

でも、だからこそ、そこからの毎日は、発見の連続と呼ぶ以外にないような日々であった。

茜は、いつも話しかけてくれた。誰にでも丁寧で、礼儀正しくて、人の嫌がることなど絶対にしない。

以下略



25: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:31:09.70 ID:xxHx5Jku0

逆に、茜の方には、誰の目にも分かるくらいに驚きの表情が見て取れた。

「わ、私でいいんですかっ!?」

以下略



26: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:31:57.89 ID:xxHx5Jku0

2人で部屋に戻りながら、話をする。

「あ、あのっ! 私! さ、鷺沢さんとユニットになれて、とっても嬉しいです!!!」

以下略



27: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:32:44.77 ID:xxHx5Jku0

さて、先ほども少し触れたが、自分の1つ前に入ったアイドルは既にユニットを組み、つい先日にデビューを果たした。
つまりこの事務所でデビューを待つのは自分たちのみ。風の噂では、もうデビューライブまでの道筋も決まっているらしい。

その証拠……と呼べるかは分からないが、茜にもボイストレーニングやボーカルレッスンが組まれるようになった。
以下略



28: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:33:19.34 ID:xxHx5Jku0
――――――――――――――――――――


大方の予想通り、2人のデビューイベントが決定した。

以下略



29: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:33:54.24 ID:xxHx5Jku0

ライブが近づいてきたある日。ユニットでのレッスン。

いつものように意気込んで臨み、いつものようにメニューを終える。
……はずだったのだが、なぜか力が入らない。
以下略



45Res/35.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice