過去ログ - 世界を愛する魔王さま【ミリマス】 -SS速報VIP

過去ログ - 世界を愛する魔王さま【ミリマス】

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1: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:49:46.70 ID:rCdDW3j60
TA01の世界観を基にしたお話です。

SSWiki : ss.vip2ch.com

2: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:50:33.22 ID:rCdDW3j60
朝、目を覚ます窓から光差すいつも通りの朝です

ですが、今日はわたしにとっては『特別な朝』になります

今日はわたしの15回目の誕生日、この村では15になると一人旅立つことが許されるという掟があるのです

3: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:51:50.76 ID:rCdDW3j60
「おはよう」

あら……

「貴方は？」

4: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:53:07.45 ID:rCdDW3j60
その後わたしは風の導くまま諸国を巡りました

旅立つ前、わたしが『外の世界』に期待していたもの、輝かしき世界、素晴らしき笑顔、溢れんばかりの愛

それは何処を探してもありませんでした

5: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:53:35.13 ID:rCdDW3j60
ある時、わたしはとある村に辿り着きました

そこの人々は毎日隣の強国の兵士に虐げられ、辛い日々を送っていました

村の人たちは誰もが優しく、良い方ばかりです

6: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:54:28.03 ID:rCdDW3j60
わたしは剣を取りました

周辺の町村を巡り、そこに僅かに眠る反乱の種火に火を付けました

それは一つではまさに風前の灯、小さいものだったでしょうしかし数が集まることによりそれは大きな"うねり"となり、その大火は大国をも飲み込むのです

7: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:55:58.73 ID:rCdDW3j60
しかし、このお話はここでは終わりません

成し遂げた後わたしが見たものは、かつての強国が没落し虐げられる様でした

8: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:56:45.77 ID:rCdDW3j60
ある日、わたしはこう呼ばれました『勇者様』と

またある日、わたしはこう呼ばれました『魔王』と

9: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:57:23.00 ID:rCdDW3j60
わたしは村を去りました、この村をこれ以上不幸にしないためにはわたしが居なくなることが一番と、そう思ったからです

再び放浪の旅を始めたわたしは考えました、どうしてこうなってしまったのかと

わたしは間違っていなかったはずです、人々の切なる願いを聞き、『選ばれし者』としての使命を果たした…… そのはずなのに……

10: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:57:52.33 ID:rCdDW3j60
そしてわたしは気付いたのです、わたしに足りなかったものは『愛』なのだと

わたしがあの時したことは人々の『怒り』を煽っただけ、だからあのような悲劇が起きてしまったのです

愛無き世界に平和などあり得ません、愛こそが優しさであり幸せであり、唯一の真理だったのです

11: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:58:20.96 ID:rCdDW3j60
まず、わたしは覇業の初めとしてとある洞窟を訪れました

ここにはかつて『覇王』と呼ばれた方の覇道を導いた聖剣が眠るとあります

薄暗く、時折襲いかかる罠をくぐり抜け、わたしは最深部へと辿り着きました

12: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/12(木) 23:59:30.09 ID:rCdDW3j60
「お久しぶり」

「あら…… 妖精さん」

「旅は順調かい？」

13: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:00:05.90 ID:4qKYDV+m0
「その剣を取るつもりかい？」

「はい、この剣を手にした者は『覇王』となれるのでしょう？」

「君は知らないのかい？『覇王』のその後を」

14: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:01:44.76 ID:4qKYDV+m0
神道の授業で誰もが習うお伽噺、『この世界を創ったのは妖精さん、この世界を壊したのは覇王』

何でも覇王さんは妖精さんの祖と共にこの世界を創りましたが、この剣を取った瞬間に狂王と化し世界を自分ただ一人のものにしようとしたそう

妖精さんの祖は覇王さんのもとを去り、人々と手を取り協力して覇王と戦ったそう

15: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:02:11.53 ID:4qKYDV+m0
「君は覇王となり世界を我が物としたいのかい？」

「はい、それしか道は無いですから～」

「その結果世界の『全て』を敵に回して身を引き裂かれようとも？」

16: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:02:51.51 ID:4qKYDV+m0
わたしは立ちふさがる妖精さんを無視し、剣の柄を握りました

いざ引き抜くとなると少し躊躇する気持ちもあります、もしあのお伽噺のようにわたしが狂王となってしまい、愛するもの達に憎しみの牙を向けられたら……

それでも、わたしはやらなければならないのですこの世界に残された希望はわたししか居ないのですから

17: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:04:08.96 ID:4qKYDV+m0
「なっ……」

「ど、どうしたんだい？」

「『声』が…… 聞こえて……」

18: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:04:52.87 ID:4qKYDV+m0
「朋花？いったいどう」

「消えなさい」

軽い…… まるでわたしの為に用意されたような剣

19: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:05:25.43 ID:4qKYDV+m0
わたしは全てを知りました

やはり、わたしはならなければならないようです『覇王』…… いいえ『魔王』に

『選ばれし者』の宿命として……

20: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2017/01/13(金) 00:06:47.74 ID:4qKYDV+m0
ここで一旦切ります。
今週のミリラジを聞いてパッと思いついて書きました。来週までには完結つもりです～。

21: ◆Jnlik0MEGA[sage]
2017/01/13(金) 00:35:08.30 ID:m22crCd20
最初百合子視点かと思ったら.....
そういえば朋花も15歳だったね
一旦乙です

>>18

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