11: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:54:12.39 ID:wEYB5TOK0
時子さんは、瞳を少し見開いてあたしを見てたけど、それから眼を伏せて、口元に笑みを浮かべた。
自信ありげで、カッコよくて。とっても似合ってた。
「そうね、同じ事務所だものね」
あたしはほっとするような、ちょっと残念なような気持ちが浮かんだけど、ともかく笑っておいた。
この人の前では、笑っていたいと思ったから。
あたしはハニーディップを食べ終えると、膝の上に箱に目を落とした。
さあ、次はどれを……って、いやいや。
(これ以上は駄目だって……みんなの分もあるし、それにレッスンだし)
目の前できらきら輝くドーナツ達に別れを告げ、箱の蓋を閉める。自然と首の力がなくなって俯き気味になってたところで、時子さんの視線に気づいた。
不思議そうに眉をしかめていたから、あたしは素直に理由を口にした。
「あのね……みんなの分もあるし、ゆかゆかやプロデューサーと一緒に食べる分も残しとかなきゃだし」
「ふうん」ってつまらなそうに呟いた時子さんは、少し間を置いてからあたしに食べかけのドーナツを差し出してきた。
「うえ?」
「私、もういらないわ。後は貴方が処分して頂戴」
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