18: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 18:06:47.53 ID:wEYB5TOK0
元気に返事したあたしと違い、時子さんは挨拶は返さないで尋ねた。
「奏も今日はレッスンだったの?」
「いいえ、これからお仕事よ。車を待ってるところ」
「会えるなら借りてた本を持ってくれば良かったわ」
「読み終わったの? どうだった」
「悪くないけど好みじゃないわね。最後が奇を狙いすぎて不愉快だったわ」
「あら、文香には言わないであげてね。彼女のお勧めだったの」
「言う気はないけど、気を使う理由もなくて?」
二人が話してる姿は、とても似合ってた。大人な雰囲気っていうのかな。
奏さんとは前に仕事で一緒になったことがある。その時にも思ったけど、とっても大人びてるの。
高校生になったら、あたしもああなれるのかな? 密かに憧れてたりもした。
時子さんの鞄から震動音。誰かから電話みたい。時子さんはスマホを取り出した。
画面を確認した時子さんは、僅かに顔をしかめたようにあたしには見えた。
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