過去ログ - 五十鈴華「流されることのない、わたくしの汚穢」
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14:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:21:03.96 ID:uefm+U0co
滝が流れていく。
わたくしはその音を背にして扉の鍵に手をかけました。

しかし、何か違う。

変わらないはずの日常にひっそりと入り込んだ奇妙な感覚。
自然と肩越しにわたくしが今まで座っていた場所を見ました。

確かに水は流したはずです。
勢いもかなりありました。

でも、そこにいるのです。
強い意志を示すように、変わらずにそこにいたのです。

わたくしは恐る恐る再び水を流します。

二度めの激流にも見事に耐え抜く。
どんな攻撃にも耐える重戦車のように。

わたくしは戦慄しました。

自分はとんでもない悪魔を生み出してしまったことに今更気が付いたのです。

縋る気持ちで再び水を流してみる。
けれど、流れ出した水に過去二度の勢いは見られず、せせらぎの音をさせるだけでした。

水が溜まるまで待たなくてはいけませんが、それでは皆さんを待たせてしまうことになります。

わたくしは生涯で最も強い焦燥感を抱きました。


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