過去ログ - 五十鈴華「流されることのない、わたくしの汚穢」
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22:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 22:42:34.90 ID:uefm+U0co
「みんな!! 今すぐ保健医をつれてきて!! 五十鈴ちゃんが倒れてる!!」

会長の叫び声にはっとして、口元の数ミリまで近づいていたものを離した

「わかりました!!」

数人分の足音が慌ただしいまま遠ざかっていきました。

わたくしは握ったそれを眺め、自分の愚かさを恥じました。
半分に折れてしまったのですから、このまま流れるはずです。

握っていたものを便器の中へ放り込む。
水が跳ね、手についた気がしますが、そんなこともうどうでもよくなっています。

水を流す。
滝が流れ、中にあった存在は最初からいなかったかのように消失してしまいました。

彼の者が生きた証はわたくしの右手にしっかりとこびり付いているだけとなりました。

「華さん、出てきてもらえますか?」

みほさんは何もかもを知っている。
何故かそう直感で思いました。

「五十鈴ちゃん。ここには私と西住ちゃんしかいないよ」

会長の慈愛に満ちた声に導かれ、わたくしは汚れていないほうの手で鍵をあけました。

開けると新鮮な風が頬を撫でる。
そして、みほさんと会長が何一つ変わらない姿でそこに立っていました。


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