30:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:53:49.80 ID:b4qt7MSMo
綾乃「だって……そんなの、決まってるじゃない! したいわよ……ぎゅーって、してみたい……///」
『うん……じゃあ、ちょっとイメージしてみて? たとえばそう、ロマンチックな場所……観覧車の中が手っ取り早いな。お嬢さんが今みたいにゴンドラの中で……京子さんと並んでふたりっきりでいるんや』
綾乃「えっ……」
……ここが夢の中だからだろうか、私の頭の中にはすぐに歳納京子の姿が……まるで今まさに隣に座っているかのような姿が思い起こされた。
『お嬢さんが京子さんの手をとって……その目を見つめる。京子さんもお嬢さんの顔を見て、ふたりの視線が重なる……』
綾乃「……///」ごくっ
『そのまま京子さんが、お嬢さんの手を取ったまま身体を寄せてきて……ふたりはどんどん密着して、やがて腕をお互いの背中に滑らせるように回し……きゅっと力を込めて、熱い抱擁を交わす……』
綾乃「は、はわわ……///」かああっ
目の前に浮かび上がった空想の歳納京子が、満面の笑顔で本当に私を抱きしめてくれた気がした。
急激に胸が熱くなる。細くて軽い羽のような歳納京子の身体の重みを、確かに胸に感じた気がした。背中に回る手の感触も……全部想像のはずなのに、私を優しく包み込んだ。
泣き出してしまいそうなほどに、心が満たされていく。想像の中の私も歳納京子の身体を抱きしめた。歳納京子も一段と深く抱きしめ返してくれる。
あの歳納京子が、私の胸に胸を合わせて……こんなにも近く、まるで息がかかりそうなほどに……
〈綾乃……〉
綾乃「!」
声が聞こえた。
歳納京子の、優しい声。
まっすぐで、やわらかい眼差し。
綾乃(と……歳納京子……っ)
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