過去ログ - 【ゆるゆり】綾乃「観覧車」
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37:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 01:00:06.45 ID:b4qt7MSMo



京子「ふぁぁ……」

千歳「ふたりとも、どれくらいまで起きてたん?」

結衣「時計が三時を回ったのは覚えてるよ……コーヒーの効き目も切れちゃいそう」

綾乃「まったくもう、学校生活に支障が出るのは問題よ?」

京子「いやー、昨日は筆がノっちゃってね……えへへ」


今朝、私は体育着を二セット持って行った。

ひとつは昨日持って行くはずだったのに忘れちゃった、私の体育着。次回は絶対忘れないようにと、あらかじめ学校に置いておくために。

もうひとつは、昨日の帰宅後すぐに洗濯・乾燥してばっちりアイロンもかけた、歳納京子の体操着。

登校してすぐに手渡したら「今日別に体育ないのに〜」と笑われた。すぐには用意できないけど後でちゃんとお礼もしたいから……と話していると、寝不足なのか大きなあくびに言葉尻を遮られてしまった。ちょっとだけ怒った。


京子「いや〜、予定してた締め切りはもう少し先なんだけど、早く完成すればそれに越したことはないでしょ? だから調子いいときになるべく進めちゃいたくてさ」

結衣「ギリギリになって手伝わされるよりは、こっちも気が楽だしね」

綾乃「色々と大変なのねぇ」

京子「でも好きでやってることだから♪」


歳納京子は、ただの友達付き合いの上手なお調子者の女の子ってわけじゃない。ちゃんと自分の好きな夢も追い求めるまっすぐな子だ。

私は歳納京子の趣味について共有して楽しめるほど詳しくは知らないけれど、今の歳納京子を形作ってくれたとか、そういうエピソードはよく聞かされていた。

具体的な将来の夢がまだまだ見つからない私は、彼女のそういう部分も羨ましかった。溢れるセンスも、努力を続けられる才能も含めて、全部。

けれど趣味方面に関してまで歳納京子を追いかける気はなかった。趣味は勉強とはわけが違う……好きなものを好きなように楽しむものだ。


好きなものを、夢を一生懸命追いかけている歳納京子を見ているのが好きだった。最初から私とは別のステージにあるものだとわかっているから、意地を張らずに心からの素直なきもちで応援していられる。

自分の好きな子が好きなものに打ち込む姿は、見ているこっちまで思わず嬉しくなってしまう。

だから私は……歳納京子が歩く夢への道の邪魔になってしまうようなことだけは、絶対にしたくなかった。


絶対に、したくなかった……



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