56:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 01:14:33.65 ID:b4qt7MSMo
綾乃「恋ってなんなのか……漠然と考えてもよくわからない。つきつめて考えても、毎回違った答えに辿り着く。恋に決まった正解なんて、ないのかもしれないわね」
『……でも、それを違う言い方をすれば?』
綾乃「……辿り着いた答えは……全て、正解かもしれない?」
『そういうことやね。そのときそのとき良かれと思って進んだ道、選んだ選択肢……自分を信じて、好きなものを信じて歩んだなら、その先にあるものは全部正解なんや』
綾乃「……ふふ、ありがとう」
歳納京子と歩んだ道。
歳納京子との思い出。
夕陽の差し込むゴンドラで……私はアライグマさんに、思い出せる限りの思い出をたくさん聞かせてあげた。
一年生のとき……勉強の話題なら話しかけやすいと思って……千歳にも協力してもらいながら、いっぱい会話のチャンスをつくったこと。
部室の使用権をかけて、テストの成績で勝負をしたこと。せっかく一位をとったのに、歳納京子の成績はさんざんで、勝負にならなかったこと。
風邪をひいたとき、初めてお見舞いにきてくれたこと。
生徒会のみんなで海に行ったら、ごらく部のみんなもちょうど海に来ていて、一緒に遊んだこと。
千歳に代わりに電話してもらって約束をとりつけて、一緒に浴衣で花火をしたこと。
みんなでいった修学旅行。真っ暗な胎内めぐりで歳納京子に変なところを触られたり、ホテルで初めてまくら投げをしたりしたこと。
花粉症に悩まされてるとき、ティッシュを切らせちゃった私を見かねて、歳納京子が助け船を出してくれたこと。
みんなでカラオケにいったとき、すごく歌が上手だった歳納京子。私はレパートリーが少なくて、ずっと歌帳をめくってて……千歳に助け船を出してもらってから、ちょっとずつ歌えるようになったこと。
きぐるみパジャマをくれたこと。「綾乃も可愛いじゃん!」って言ってくれて、「仕方なく着てあげてる」なんて言ったけど……本当はすごく嬉しかったこと。みんなで行ったキャンプでも、そのパジャマを着たこと。
お母さんが友達にもらってきた服を着て、お散歩がてらに外に出たら……それが歳納京子の服で、しかも本人に見つかっちゃったこと。でも似合ってるって言ってくれて……そしてふたりで公園でお話して……「またふたりで遊んだりしよ」って、言ってもらえたこと。
教室で寝てる歳納京子のリボンをむしっちゃって……嫌われちゃったらどうしようって思ったけど……「綾乃ちゃんの好きな人は、こんなことで人を嫌いになったりするような人なん?」って千歳に言われて……すごく勇気をもらえて、謝りにいけたこと。
映画に誘おうと思って、でもなかなか言い出せなくて……そうしたら歳納京子のほうから映画に誘ってきてくれて。ふたりきりで映画館にいって……一緒に写真を撮ったりしたこと。
みんなで行ったお花見。迷走して変なパーティーグッズを買っちゃって……でも、歳納京子は楽しんでくれたこと。
ちょっとしたことで歳納京子に誤解されちゃって……頑張って勇気を出して、ちゃんと歳納京子へのきもちを伝えられたこと。
「嫌いになるとか、絶対ないんだからね」って言い合って……これからもよろしくと、ハイタッチをしたこと。
プリントが出てない出てないって、何回もごらく部室に取り立てにいった……あの日々。
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