17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 19:06:08.17 ID:n5zbXUjr0
うちの前に立っているのは青木麗はん。
当初の竹刀を握って険しい表情をしていた面影は、今はもうない。
「小早川。そろそろやめないか」
れっすんを始めて半日。青木はんの要求する水準を超え続けて、ついには止められるようになった。
「うちはまだ動けます」
「動けることとレッスンができることは違うだろう」
「うちは少しでも上に行かなあきまへん。動いて身になる間は絶対に辞めたくありまへん。
うちの限界はうちが一番わかってます」
今まで会ってきたとれーなーはんと比べても格段に優秀な人だ。
普通ならそれに従っていればいいのだろうけど、うちにはそれでは足りない。
「そうは言ってもな」
「芸事は泣いても喚いてもするものどす。
あいどるはどんなもんやろて思うとりましたけど、これならお稽古の方がなんぼかしんどいわぁ。
一番しんどいれっすんて、この程度どすか?」
「……この負けず嫌いが。いいだろう、最期まで付き合ってやる」
「おおきに」
その言葉が欲しかった。プロデューサーはんが用意してくれた最高の環境は完全に活かし切らないといけない。
そうやって、何をしてでもうちは――青の一番星(シリウス)に、手を伸ばす。
……………
………
…
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