167:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:30:00.02 ID:RFehJzWso
決然とした顔を上げ、イオリはすっと立ち上がった。
その姿を見て、ハルシュタインが小さく鼻を鳴らす。
微かな違和感に、イオリの眉根が少し動いた。
ハルシュタイン「ま、思う存分やるがいい。
たとえ過ちが繰り返されたとしても、私には次の一手の用意がある」
イオリ「――っ!」
小気味良い靴音が聞こえ、ハルシュタインの背後から人影が進み出た。
黒く軽やかな短髪、
強い意志と理性を感じさせる涼やかな目元、
痩身にして性別を超えた美貌を備える麗人が、イオリの前に姿を現した。
イオリ「マコト……」
ハルシュタイン近衛師団長の名をイオリは口にした。
そして瞬時に理解する。
自分が宣言するまでもなく、
ハルシュタインは次の作戦こそがラストチャンスだと決めていたことを。
こうして事前に後釜まで用意し、
それでいて笑って予想通りの自分の出方を見ていたことを。
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