329:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:16:16.36 ID:sKfYX8RPo
そのあまりの巨大さに、ヒビキは僅かの間ながら息をするのも忘れた。
しかしすぐに再び踵を返し、全速力で森の中を駆ける。
それと同時に、後方からヒビキの耳に不吉な音が届いた。
見れば以前タカネが来訪した際にも現れたロボット群が、
森の中に炎をまき散らしながら侵攻している。
自分の愛した森が、仲間たちの済み場所が、見る見るうちに焼かれていく。
ヒビキは歯を食いしばり、目には涙すら浮かべ、
しかしながら駆ける足を止めることなく神殿へと向かい続けた。
そうしてようやく森を抜け、視界が広がる。
その先に立つ、明らかに異彩を放つ建造物こそが、
この惑星に伝わる秘宝――希照石《テラジェム》の眠る神殿である。
ヒビキは息を切らせて扉の前に立ち、
目を閉じてアニマの神に神殿への立ち入りを告げる。
数瞬後、ヒビキは目を開いて扉に手をかけ、生まれて初めて……
いや、先代から聞く限り何十年、何百年と開かれていない扉を開放した。
639Res/544.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。