613:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 21:53:50.22 ID:kHht+3Bto
もはやハルカイザーには、如何なる抵抗の力も残されてはいない。
闇の重力には引かれるがままであり、
またキサラギに腕を掴まれれば、それもまた引かれるがままであっただろう。
が、キサラギにとってそれはあまりに危険であった。
ハルカイザーの頑強な機体を打ち砕くほどの突進は、
希石の力に強化されていたとは言えキサラギ本体にも相応のダメージを与えていた。
また、今やコクピットに守られておらずステアに掴まるのみのアミとマミである。
そんな状態で再び重力のるつぼに飛び込んでいって、
無事で居られると断言できるはずもない。
更に、キサラギ単体が脱出するのと、
ハルカイザーを連れて脱出するのでは、それもまた大きく異なる。
つまり最悪の場合、アミたちはここでハルシュタインと共に心中してしまう。
いや、寧ろその危険性の方が高かった。
しかし二人は構わずに前進を続ける。
危険など考えなかった。
ただ、自身が決めた覚悟を裏切りたくない一心で、
敵対者であるハルシュタインに向けて手を差し伸べ続けた。
ハルカイザーの全身は既に空間内部に完全に取り込まれている。
キサラギもあと数秒もすれば突入してしまうだろう。
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