622:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:17:33.60 ID:kHht+3Bto
瞬間、ハルシュタインの脳裏に蘇る。
散っていった二人が残した言葉、そして表情……。
それまで何の感慨もなく素通りしていたものが今、
改めて自身の体を巡っていく。
『――例え敗北なさったとしても、私の貴女への気持ちは変わりません』
『僕たちは、ずっと閣下の御側にいましょう。
貴女の孤独が癒えるまで……いえ、それからもずっと』
それは、闇が生み出した幻であったのだろうか。
しかし確かに、ハルシュタインは感じていた。
長らく忘れていた感情と、感覚を。
それはなんと呼ばれるものだったか……もう忘れてしまった。
だがそれが今ここにある。
敗北して初めて気付くことができた。
そう……“色”はあったのだ。
自分が見ていなかっただけ、見ようとしていなかっただけで、常にすぐそばに……。
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