過去ログ - 5000円払って、彼女の1時間を買った話。
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61:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:35:08.75 ID:DRCMrmYP0

「それで、どこまで行くんですか」しばらくして、彼女が聞いてきた。

「あの山まで走るつもりだ」俺はまっすぐ前を見つめていた。

以下略



62:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:37:42.97 ID:DRCMrmYP0

山の麓まで走り終えて、近くに原付を止めた後、俺は目線を上げた。

「さて、登るか」

以下略



63:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:41:47.33 ID:DRCMrmYP0

「なにか面白い話をしてください」
道中しびれを切らしたパンダがぼそりと呟いた。

「そうだな」俺は足を止めた。
以下略



64:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:44:01.64 ID:DRCMrmYP0

山頂にたどり着いたとき、もうすっかり日も落ちていて、あたりは真っ暗だった。
俺は、目を凝らすと、いつもの場所にどさりと身を投げ出した。

「ここは夜景がよく見えるんだ」
以下略



65:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:47:34.46 ID:DRCMrmYP0

「……今日は、楽しかったです。とても」
ふいにそんなことを言ったものだから、俺は横目で彼女を見た。

「あなたのこと、すこしは見直しました」
以下略



66:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:50:59.79 ID:DRCMrmYP0

「あのさ」彼女は「なんですか」と答えた。

「お前ってなんのために生きてるんだって、昔言われたことがあったんだ」
体を起こした俺は、古い記憶をひっぱり出すために目を細めた。
以下略



67:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 16:59:04.13 ID:DRCMrmYP0

思い返せば、俺の人生なんてものを振り返ってみても、
彼女と出会ってからの時間には到底敵わないのかもしれない。

そんな風に、今なら思えてしまう。
以下略



68:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 17:36:23.20 ID:DRCMrmYP0

「だったらどうする」

こうします、彼女はそう言って俺の頬に唇を寄せた。

以下略



69:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 17:36:58.70 ID:DRCMrmYP0


“きっと二人は同じことを思っているだろう”という妄想は、あながち間違いじゃなかったみたいだ。


以下略



70:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 17:44:00.13 ID:DRCMrmYP0

俺たちはすっかり暗くなった山道を、手を繋いで下った。
あの駅前まで彼女を送った後、俺たちは向かい合って別れを言い合った。

「それじゃあ、また」
以下略



71:名無しNIPPER[saga]
2017/02/20(月) 17:58:39.05 ID:DRCMrmYP0


俺とパンダが話したのは、それが最後だった。


以下略



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