過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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160:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:09:59.44 ID:D1iqdLVwO
眼帯をつけて歩くのが、恥ずかしい。

真っ黒い液体が常にふつふつと沸いているように、私の心の中に今までの人生にはなかったような感情が芽生えていた。

怒り、憎しみ、恥ずかしさ、後悔。
以下略



161:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:13:40.39 ID:D1iqdLVwO
見えない右目の視界の中から人が近付いてくる気がして怖かった。

眼帯を見られたくないという気持ちがありながら、自分の右目が以前のようには見えないということが通行人に伝わってほしかった。


以下略



162:名無しNIPPER[sage]
2017/02/28(火) 19:28:27.78 ID:YnO+KGaH0
うーん面白いテンポのいい会話と重い話がよくマッチしとる


163:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:07:43.20 ID:D1iqdLVwO
みんな暖かく迎えてくれた。

地元で起きた出来事は学校にも伝わっていた。

過度に明るくしないように、過度に触れ過ぎない空気を出さないように。
以下略



164:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:28:43.58 ID:D1iqdLVwO
思った通り、私に話しかける人は日に日に少なくなっていった。

私が壁をつくるようになってしまった。

心から笑えなくなってしまった。
以下略



165:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:37:12.23 ID:D1iqdLVwO
また独りで休み時間を過ごしている時だった。

「何読んでるの?」

隣の席の、肥っていて気持ち悪い男の子が話しかけてきた。
以下略



166:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:46:28.65 ID:D1iqdLVwO
今日もため息をつく。

メガネをかけていればよかったのか。

わたあめを買わなければよかったのか。
以下略



167:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:50:19.17 ID:D1iqdLVwO
右目については、皮肉なことに不自由を感じなくなってきていた。

コンタクトレンズをつけているのを忘れて寝てしまうことがあると以前先輩がいっていたが、嬉しいことにも慣れて当たり前になるし、悲しいことにも同じことがいえるらしい。

左目の視界だけでも日常生活を送ることは可能で、右目が見えないことを忘れてしまう時間が増えてきた。三次元の距離感を感じる必要のある体育の時間などはとても困ったが(次第に体育は休むようになった)。
以下略



168:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:51:50.52 ID:D1iqdLVwO
そうはいっても。

右目のことについて考えなかった日は、あの日からもう10年近く経つけれど、一度もない。
めんどうくさがりで、歯磨きや、お風呂を、時々さぼることがあった私だけど。

以下略



169:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 21:05:02.29 ID:D1iqdLVwO
女「悪いこともあれば良いこともありました」

女「まずは良いことから。ちょうどいいことにあなたは私の左側に座っていますね」ザバァ…

女「例えば、こんな風に、右側に座っていた人が顔の右側を寄せてきたらどう思います?」
以下略



170:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 21:15:08.13 ID:D1iqdLVwO
女「続いて悪いことです」

女「電車の中で寝れなくなりました」

女「理不尽がいつ襲ってくるかわからない、という恐怖のためです」
以下略



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