過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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285:名無しNIPPER[saga]
2017/03/13(月) 07:46:50.76 ID:hkofsXi0O
俺の他には誰もいないようだった。

円形で囲まれたスペースにお湯が張ってあり、真ん中には大きな岩があった。

左側が女性の湯、右側が男性の湯と記載されていた。

俺が毎朝行っていた温泉と違い、マナーに対する細かい注意書きがあった。

美しい景観を損ねるような人工物は何一つなかった。ここの地を守る人の努力の賜物なのだろう。

脱衣場で服を脱ぎ、足を踏み入れた。

ゆっくりと浸かった。

少し熱く感じたが、雪国の外気の涼しさと相まって、心地よかった。

眼前に広がる湖には何もなかった。

オオハクチョウも、朝日に照らされる神秘的な女性もいなかった。

気持ちの良い青空と、遠くに広がる山の景色だけがあった。

俺は、満足した。

生きてる間にこの地に来られてよかった。

それは諦めに似た悟りというよりは。

少し、希望に近い感情だった。


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