過去ログ - 【オリジナル】サンデー・ブルース 3年D組の団結力(立て直し)
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21:中村千歳 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2017/01/24(火) 23:23:37.31 ID:vWM5/THL0
【9月10日 月曜日 高木すみれ】

「すみれ先輩っ!」
 栃川駅西口。いつものように香織を待ってたら、なぜか結衣さんにかち合ってしまった。
「浮かない顔してどうしたんですかっ?」
 浮かない顔してるのは結衣さんにかち合ったからだと思うんだけど……。まあいいや。香織を待とう。

「お待たせ、すみれちゃん」
 3人……いや2人揃ったので、ちょうど到着していたバスに乗り込む。栃60系統、さくら高校前経由立花台行き。次は、栃川小学校入口。
「結衣、生徒会選挙に出るんだって?」
「はいっ、会長選に立候補しますっ」
 あ……そういえばそんな話してたね。あれからどうなったんだろう。推薦人とか。

「それで……推薦人なんですがっ……」
 顔を俯ける結衣さん。あれ?何か空気がおかしいよ?
「もしかして……推薦人……?」
「まだ見つかってないんですっ……」
「そうか……」
 結衣さんは俯いたまま話を続けてくれた。
 私に推薦人を断られた後、ソフト部の仲間やクラスのみんなに声をかけたらしいんだけど、どうせ津川には無理だろうとかなんとか言われて、全員に断られたらしい。
「香織は?」
「私は壇上で話すのあんまり得意じゃないし……」
 それ言うなら私の方が苦手なんだけど……。
 とか考えていたら、
「すみれ先輩っ、お願いしますっ!」
 結衣さんが手を合わせて、全力のお願い。
「一生のお願いですっ!」
 さすがにバスの中だから土下座はなかったけど、結構うるさいよ?

「受けてあげたら?」
 香織、ごめん聞こえない。
「お願いしますっ!」
 結衣さんも聞こえない。
「コミュ障でもいいのでお願いしますっ!」
「コミュ障って言うな!」
 さすがにこれは無視できなかった。本当のコミュ障に失礼だよ。
「ご乗車ありがとうございました、さくら高校前です」
「ごめん、そろそろ着くからまた今度……」
 そう言ってポケットから定期券を出そうとしたとき……

 携帯電話が目に入った。
 誕生日にもらった、とっちーくんストラップが付いている。

「友達の、証か……」
「へっ?」

 決めた。
 香織、結衣さん。私はもっと成長したい。
 だから。

「推薦人、やらせてください」

「ありがとうございますっ!」
 新幹線に乗ってたら隣の車両まで聞こえそうな声で、結衣さんが叫んでいた。


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