223: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2017/01/28(土) 06:11:28.79 ID:SxUcyadD0
海未「パサパサで、まるで薬みたいな味・・・ですが・・・」
ことり「なんでだろう、噛めば噛む程、涙が出てくる・・・」ウルウル
穂乃果「・・・・うう・・・疲れている上に気が狂いそうな程お腹が減っている時、この味をどれだけ想像したことか・・・」ウルウル
ことり「うん・・・うん・・・」ウルウル
穂乃果「ただの栄養機能食品って思ってたけど、こんなにおいしかったんだねー・・・」
海未「ええ。でもやっぱり、私の中での最高の食べ物は・・・」
穂乃果「ふふ、分かってるよ。はい、どうぞ」
海未「ありがとうございます! もぐもぐ・・・・ああ、やっぱり穂むらのお饅頭は絶品ですねえ!」モグモグ
穂乃果「遭難しているときに海未ちゃんがお饅頭を食べたがってた話をしたら、お父さん、やたらと気合い入れてそれ作ってたよ」
海未「ええ、モグ、そうなんですか、ハグ、お礼を言わないと」モグモグ
穂乃果「う、海未ちゃん、落ち着いて食べようよ・・・」
海未「モグモグ...ゴクン。 す、すいません。あまりにも感激してしまって・・・」
海未「それにしても楽しみです。数年後にはこれよりずっとおいしいお饅頭――いえ、お饅頭に限らず、様々な和菓子を穂乃果から頂けるんですよね、私」ニコニコ
穂乃果「うっ・・・。そ、そうだね、約束したからね。ま、任せてよっ」
ことり「あははっ。・・・でも、ホント、遭難中は食べるのが大変だったよねー」シミジミ
穂乃果「野草食べたり、ヘビ食べたり、虫も食べようとしたり・・・」
海未「ええ・・・虫。夏の山の藪歩きでしたから本当にたくさんいましたよね。ムカデみたいな虫とか、ゴキブリみたいな虫とか色々・・・」
穂乃果「いたいた。テントの中にも結構入ってきてた。でもさ、歩き疲れちゃってて、虫が傍に居る事に驚いたり追い払ったりする元気が無いから、そのまま放っておくしかないの」
ことり「うんうん。その内虫に慣れてきちゃったよね。だからね、ことり、ちょっと前まではゴキブリとか見かけたらすっごい怖かったけど、今なら冷静に退治できる自信があるよ」
穂乃果「頼もしいねー。実は穂乃果ね、将来結婚する人はね、虫を怖がらないで退治できるような頼もしい人がいいなーって思ってたの。やっぱりことりちゃんしかいない!」
ことり「えへへ・・・///」
海未「他にも鉄砲水や熊や毒蛇に怯えたり、怖い事もたくさんありましたけど、それだけじゃなかったですよね」
海未「私が今でも感動が胸に残っているのは、遭難二日目の朝です。二人は覚えていますか?」
ことり「もちろんはっきり覚えてるよ。滝と渓谷とエメラルドグリーンの池だよね。本当にあれは綺麗だったねえ・・・」シミジミ
穂乃果「岩場を登った先から見えた山と雲海もすごかったよねぇ・・・」シミジミ
海未「ええ、本当に。今でも目を瞑ればあの時の光景が鮮明に見える程に印象深かったです」
穂乃果「みんなスマホが壊れていたから、あの絶景を写真に残せなかったのが心残り」
海未「そうですねえ・・・。あっ、そうだ、スマホですよ。穂乃果」
穂乃果「えっ? あっ、そうか。ことりちゃんにこれ渡さないと」
ことり「なあに?」
穂乃果「新しいスマホだよ」
ことり「あ、持ってきてくれたんだ、ありがとう! ・・・・・それで、穂乃果ちゃん、このスマホは・・・」
穂乃果「もっちろん! 携帯電話の中継器が近くに無くても通信できる衛星通信機能付き! 10気圧防水! 落下耐衝撃2メートル! 耐熱・耐寒性能もバッチリ! ついでに広角2300万画素の高性能カメラも搭載!」
ことり「わあ、すごい♪」
穂乃果「穂乃果と海未ちゃんも同じモデルにしたよ!」
海未「予備バッテリーも揃えています。どんな過酷な環境に放り出されようが、これさえあれば死角無しです」
ことり「えへへ。今度同じようなことがあってもこのスマホだったら、撮りたい写真は絶対に撮れるね」
海未「ええ、撮れますね」
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