過去ログ - 橘ありす「待てますか?」P「いつまでも待つさ」
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◆V4UmGZT038Ti
[saga]
2017/03/05(日) 00:18:02.51 ID:BCXUomCoo
――――
ちひろ「なんで、わかったんですか……」
『だって、ちひろさん、わかりやすすぎますよ?』
電話越しにでも声の温度がとてつもなく冷たいのがわかった。ここまで恐ろしい少女だとは思ったことがない。
ちひろ「あのデータも……」
『ダメですよ、パソコンのパスワードを数字八桁に設定していては。しかもあの人の誕生日、なんてヒントを入れていては』
淡々と、アドバイスするように少女の声で言う。なのに、どうして、ここまで恐ろしいのか。
ちひろ「中身、どこまで見たんですか」
たぶん、パスワードをきちんと設定していたとしても、関係ないと思う。
『ぜーんぶコピー済みです。大丈夫ですよ、私としてもアイドルを続けたいのでこれを公表して事務所倒産、なんてことはしませんから』
少し、声色に温度が戻った。優しさが見えた。
ちひろ「……それならよかっ――」
『でも、なんで、パスワードがPさんの誕生日だったんでしょうかね?』
それに僅かに安堵した瞬間、声の温度が急降下した。
ちひろ「ひっ……」
温度差に思わず、半分以下の年の少女に対して、おびえた声が漏れる。
『ちひろさんも、私の敵ですか?』
きっと、目の前にいたらギラついた眼光で睨み付けられていたかもしれない。12歳の少女が出せるとは思えない迫力の眼光で。
ちひろ「ち、違いますよ? 大丈夫、私は応援してますから」
『……ならいいですけど。くれぐれも、邪魔したら……わかってますね?』
それだけ言うと、電話はプツッと切れた。
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