過去ログ - 唐突な当たり前の全裸(デレマスSS)
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名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:10:13.43 ID:NlwnlR5Co
とりあえず服を着なければいけない、服を着なければ──とベッド傍に置いてある服を必死に手を伸ばして引き寄せようとする。絶妙に掛け布団に丸まった状況では手が届かない場所にあるのがなんとも歯がゆくもどかしい。
なんとしても未央がこちらを向く前に着替えなければ──と思い、あれと藍子の中でひとつの疑問が浮かんだ。
そもそもどうして未央の目を気にしなければならない。思い返してみるも、よくよく考えてみれば未央ならば別に見られようと構わないではないか。
13
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:10:46.43 ID:NlwnlR5Co
いや、確かに裸を見られるということは性別関係なしに少し恥ずかしく思わなくもないけれど──相手は未央ちゃん。
同性であるということはもちろんとしても、普段から仲良しだし、もっと言えば一緒に温泉にも入ったことがある。何を今さら、というやつである。
慌てた結果なんとなくこうしなければならない気がしたが、それは気がしただけであり、さらに言えば裸のままで立ち尽くしても特に問題はないのだ。
──いや、それはさすがに倫理的に考えて問題がありますけど。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:11:19.01 ID:NlwnlR5Co
さてしかしそう気付いたからには布団なんて制約はさっさと脱ぎ捨ててしまい服を取ってしまおう。裸なので布団から出ると肌寒くはあるけれども、服を着ないことには始まらないし終わらない。
──と、布団から出たところで、未央が、タイミングよく、いやタイミング悪くだろうか?
「あ」
以下略
15
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:11:48.88 ID:NlwnlR5Co
「……………………芸術かな?」
ぽつりと漏らした言葉は藍子には届かないほどに小さいものだった。
ビーナス像やダビデ像などから言えるように、古来から裸というのは性的なイヤらしさ以上に芸術であるというのは知っていて然るべきではあるが、未央は齢十五にして思春期という性的フィルターを通り越した芸術を感じ取っていた。
イヤらしさよりも美しさこそを未央は藍子の裸体に感じていたのだ。
以下略
16
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:12:15.53 ID:NlwnlR5Co
「あ、未央ちゃん。ごめんなさい、ちょっと後ろ向いていてもらえますか……さすがに着替えているところをまじまじ見られるのは、ちょっと恥ずかしいです」
「あーちゃんの身体に恥ずかしいところなんて何一つないよ!?」
「ちがうそうじゃないです。……あ、いや恥ずかしいところはありますけど」
以下略
17
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:12:41.88 ID:NlwnlR5Co
めっちゃ見てしまった。あーちゃんの一糸纏わぬ生まれたままの姿、至高にして至宝、ひとつとして他にはない無二の芸術を、目に焼きつけてしまった。
今宵は目をつむるたびに瞼の裏に焼きついた藍子の姿が未央を悶々とさせることが確定してしまったことだろう。
未央の脳内おさんぽカメラがおはだかしている藍子をパシャリ煩悩が嘲笑っている。
18
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:13:13.29 ID:NlwnlR5Co
「あ、あのさ、ところであーちゃん……少し聞きたいことがあるんだけど」
背後で聞こえる衣擦れの音にドギマギして振り返りたい気持ちをぐっと堪えて未央は聞かなければならないことを口にすることにした。
何か喋っていなければ何をしでかすかわかりないからである。
ちなみにどうせ何もできない。
以下略
19
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:13:44.22 ID:NlwnlR5Co
「あの、あーちゃん、その……な、なんで裸で私と寝ていたのかなー、って」
「た、確かに事実としては間違いないことなのかもしれないけれど、他に言い方もう少しなかったの!?」
「ごめんなさいデリカシーありませんでしたっ!」
以下略
20
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:14:14.13 ID:NlwnlR5Co
「それであの、どうしてなの……?」
「わ、わかりません……何を言っているんだ、って未央ちゃんも思うかもしれないけれど、本当にわからないんです」
藍子の声色に嘘は感じ取れない──いや、声だけで感情を読み取れるほどに自分は優れた聴覚や直感を持っているわけではないけれども、こと藍子の言葉であれば少しは理解できる、はず、たぶん。
21
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:14:44.80 ID:NlwnlR5Co
それに、だ。わざわざそんな嘘をつく理由が藍子にあるはずもない。嘘をついてまで裸で自分が眠る布団に潜り込んでくるような理由が、あるはずがない。
はっきり断言できる。
居眠りしているところを襲いにきたなんてことはただの妄想でしかない。そんなものはプロデューサーの妄想と同程度の、有りもしない遥かに遠い幻想郷。
22
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/30(月) 01:15:22.80 ID:NlwnlR5Co
「今日はお仕事で早く起きたから、だから家に帰ってからお昼寝をしていたはずなんです……その、それで、今、ある健康法を試していて、だから服を脱いでいたんだけど」
「あ、あー、聞いたことあるよ。試したことはないけれど、お肌によかったり、痩せやすくなるってやつだよね」
「そ、そうなの、だから──普段からこういうわけじゃなくてですね!?」
以下略
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