過去ログ - 唐突な当たり前の全裸(デレマスSS)
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15:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:11:48.88 ID:NlwnlR5Co
「……………………芸術かな?」

 ぽつりと漏らした言葉は藍子には届かないほどに小さいものだった。
 ビーナス像やダビデ像などから言えるように、古来から裸というのは性的なイヤらしさ以上に芸術であるというのは知っていて然るべきではあるが、未央は齢十五にして思春期という性的フィルターを通り越した芸術を感じ取っていた。
 イヤらしさよりも美しさこそを未央は藍子の裸体に感じていたのだ。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:12:15.53 ID:NlwnlR5Co
「あ、未央ちゃん。ごめんなさい、ちょっと後ろ向いていてもらえますか……さすがに着替えているところをまじまじ見られるのは、ちょっと恥ずかしいです」

「あーちゃんの身体に恥ずかしいところなんて何一つないよ!?」

「ちがうそうじゃないです。……あ、いや恥ずかしいところはありますけど」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:12:41.88 ID:NlwnlR5Co
 めっちゃ見てしまった。あーちゃんの一糸纏わぬ生まれたままの姿、至高にして至宝、ひとつとして他にはない無二の芸術を、目に焼きつけてしまった。
 今宵は目をつむるたびに瞼の裏に焼きついた藍子の姿が未央を悶々とさせることが確定してしまったことだろう。
 未央の脳内おさんぽカメラがおはだかしている藍子をパシャリ煩悩が嘲笑っている。


18:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:13:13.29 ID:NlwnlR5Co
「あ、あのさ、ところであーちゃん……少し聞きたいことがあるんだけど」

 背後で聞こえる衣擦れの音にドギマギして振り返りたい気持ちをぐっと堪えて未央は聞かなければならないことを口にすることにした。
 何か喋っていなければ何をしでかすかわかりないからである。
 ちなみにどうせ何もできない。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:13:44.22 ID:NlwnlR5Co
「あの、あーちゃん、その……な、なんで裸で私と寝ていたのかなー、って」

「た、確かに事実としては間違いないことなのかもしれないけれど、他に言い方もう少しなかったの!?」

「ごめんなさいデリカシーありませんでしたっ!」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:14:14.13 ID:NlwnlR5Co
「それであの、どうしてなの……?」

「わ、わかりません……何を言っているんだ、って未央ちゃんも思うかもしれないけれど、本当にわからないんです」

 藍子の声色に嘘は感じ取れない──いや、声だけで感情を読み取れるほどに自分は優れた聴覚や直感を持っているわけではないけれども、こと藍子の言葉であれば少しは理解できる、はず、たぶん。


21:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:14:44.80 ID:NlwnlR5Co
 それに、だ。わざわざそんな嘘をつく理由が藍子にあるはずもない。嘘をついてまで裸で自分が眠る布団に潜り込んでくるような理由が、あるはずがない。
 はっきり断言できる。
 居眠りしているところを襲いにきたなんてことはただの妄想でしかない。そんなものはプロデューサーの妄想と同程度の、有りもしない遥かに遠い幻想郷。


22:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:15:22.80 ID:NlwnlR5Co
「今日はお仕事で早く起きたから、だから家に帰ってからお昼寝をしていたはずなんです……その、それで、今、ある健康法を試していて、だから服を脱いでいたんだけど」

「あ、あー、聞いたことあるよ。試したことはないけれど、お肌によかったり、痩せやすくなるってやつだよね」

「そ、そうなの、だから──普段からこういうわけじゃなくてですね!?」
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:15:50.35 ID:NlwnlR5Co
 普段からだったらと想像しようと試みるも物凄い妄想が過りそうになりストップをかけた。二人で裸でベッドで横に並んでいて、朝を迎える──そんな妄想はプロデューサーの脳内に送っておこう。
 ただし画面全部モザイクつきで。
 未央ちゃんの裸は安くないし、あーちゃんの裸など絶対に見せない。
 そもそも送れない。


24:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:16:20.66 ID:NlwnlR5Co

「……でも、何だかよくわからないけれど、起きたときにいる人が未央ちゃんでよかった。未央ちゃんだから、必要以上に戸惑わないで、安心できました」

「そ、そっか……」

以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:16:47.47 ID:NlwnlR5Co
 ──なんだこれ、ものすっごい嬉し恥ずかしいぞ!? ニヤニヤ止まらない!
 やばいやばいやばい、次にあーちゃんを見ることができる気がしない。いや今は見ちゃいけないんだけれどそうじゃなくて、服を着たあとだとしてもあーちゃんの顔を見られない。
 このだらしなくにやけきった顔を見せられないというのもあるし、そもそも自分の顔が林檎のように真っ赤になっているだろうことも容易くわかっていて、こんな顔を見せて変に思われたくない。
 何よりもあーちゃんが愛おしすぎて顔を見たらすぐに抱き締めてしまいそうで──ああ、なんなんだこれは!?


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