過去ログ - 唐突な当たり前の全裸(デレマスSS)
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:07:02.30 ID:NlwnlR5Co
 閑話休題。


7:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:07:43.38 ID:NlwnlR5Co
 というわけでなぜ藍子が裸で未央の横で眠っていたのかは不明である。
 綺麗に折り畳まれた藍子の洋服がベッドの傍にあり、どうやら眠っている間に未央の中に眠る野獣が目を覚まして強引に藍子に迫ったわけではない、ということは察することができる。

「と、とにかく落ち着こう。そうだ素数を数えるんだ、素数は孤独な数字、私に勇気をくれる……」

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:08:15.59 ID:NlwnlR5Co
 渋谷凛が見ていれば『こいつこの状況で手を出さないとかマジか。人間やめてるのか!?』と驚愕の表情で訴えているだろう。卯月の苦労がうかがえる。

「まず、状況を整理しよう。私の衣服は変わったところはない。乱れていない。つまり問題は何も起きていない」

 ほっと一息つく。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:08:49.28 ID:NlwnlR5Co
 頭をひねって考えてみる。未央ちゃんの頭脳明晰な思考回路を持ってすれば自ずと答えは見えてくるに違いない、と明後日の方向にポジティブに考えてみるけれども、テストの成績で測れるような状況ではないので当然わからなかった。
 依田芳乃や遊佐こずえ、はたまた白菊ほたるや鷹富士茄子のような超常的な存在の関与を疑うのがセオリーなのだろうか、はたして何の意味があるのか。
 或いはプロデューサーが噛んでいて協力を要請したのか──いや、あのみほちー至上主義の享楽主義者(ガチャガチャマシン)がこんなことをするとは考えにくい。有り得ないとまでは断言はできないが可能性は限りなく低いだろう。


10:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:09:16.92 ID:NlwnlR5Co
 …………わからない。
 まさか、あーちゃん自身でこんなことをするとも思わないし──と、ぐるぐる思考がめぐりだしたところで、未央が視界から逸らしていた布団のほうでは。


11:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:09:45.84 ID:NlwnlR5Co
「!!??」

 渦中の人物である高森藍子が目を覚まし、声にならない悲鳴をあげていた。

 ──あれなんで私裸になってるの!?
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:10:13.43 ID:NlwnlR5Co
 とりあえず服を着なければいけない、服を着なければ──とベッド傍に置いてある服を必死に手を伸ばして引き寄せようとする。絶妙に掛け布団に丸まった状況では手が届かない場所にあるのがなんとも歯がゆくもどかしい。
 なんとしても未央がこちらを向く前に着替えなければ──と思い、あれと藍子の中でひとつの疑問が浮かんだ。
 そもそもどうして未央の目を気にしなければならない。思い返してみるも、よくよく考えてみれば未央ならば別に見られようと構わないではないか。


13:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:10:46.43 ID:NlwnlR5Co
 いや、確かに裸を見られるということは性別関係なしに少し恥ずかしく思わなくもないけれど──相手は未央ちゃん。
 同性であるということはもちろんとしても、普段から仲良しだし、もっと言えば一緒に温泉にも入ったことがある。何を今さら、というやつである。
 慌てた結果なんとなくこうしなければならない気がしたが、それは気がしただけであり、さらに言えば裸のままで立ち尽くしても特に問題はないのだ。

 ──いや、それはさすがに倫理的に考えて問題がありますけど。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:11:19.01 ID:NlwnlR5Co
 さてしかしそう気付いたからには布団なんて制約はさっさと脱ぎ捨ててしまい服を取ってしまおう。裸なので布団から出ると肌寒くはあるけれども、服を着ないことには始まらないし終わらない。
 ──と、布団から出たところで、未央が、タイミングよく、いやタイミング悪くだろうか?

「あ」

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/01/30(月) 01:11:48.88 ID:NlwnlR5Co
「……………………芸術かな?」

 ぽつりと漏らした言葉は藍子には届かないほどに小さいものだった。
 ビーナス像やダビデ像などから言えるように、古来から裸というのは性的なイヤらしさ以上に芸術であるというのは知っていて然るべきではあるが、未央は齢十五にして思春期という性的フィルターを通り越した芸術を感じ取っていた。
 イヤらしさよりも美しさこそを未央は藍子の裸体に感じていたのだ。
以下略



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