過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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18: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 20:30:32.56 ID:Nr4cjnOQ0
 といっても、私は早く歩けないので、山田に手伝ってもらいながら、家の近所を散歩するだけの形になった。

「おじさんって、どんな見た目だった?」

 山田はあのぼんやりとした映像しか見てなかったので、詳しい見た目は知らなかったそうだ。

「えーと」

 正直に話すのは気が引けたので、よく覚えてない、と答えた。

 でも、私のまぶたの裏には、はっきりと川田の顔と、焦げ紫の匂いがこびりついていた。
 つい早く歩きそうになる。

「ごめん、気持ち悪いなら、無理して思い出さなくてもいいよ」

 山田は少し申し訳なさそうに、私から荷物を受け取った。

 いつの間にか、怖い顔をしてしまっていたようだ。
 頭から、焦げ紫が離れない。

 隣にいる山田は、いつも女の子らしい桜色の匂いがするのだけど、なかなか焦げ紫が離れようとしない。

 少しよろけたふりをして山田に顔を近づけてみたけど、山田が少し驚いただけで、桜色の匂いは焦げ紫に負けてしまった。



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