過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:39:34.17 ID:Nr4cjnOQ0
そこで初めて、私は会話に口を挟んだ。
「でも、マジックはタネがあるからできるんでしょ?」
未来人は、珍しくすぐに返事をよこした。
「未来に送りつけるから、大丈夫だよ」
彼女の目があまりにも綺麗な目だったので、私は、何故か「なら大丈夫か」と納得してしまった。
まあ、冷静に考えても、閉じ込めさせすれば、なんとかする手段を考えていたのだろう。
「なら、どうやってここに閉じ込めるか、ね」
山田が跳び箱の上で、腕を組んで「うーん」と悩ましげな声を出す。
「誰か囮になればいいんじゃね」
中村はさらりと言ったが、私は少し反対だった。
「死んじゃったらどうするの?」
「死ぬ前に、誰かが起こせばいい」
「でも」
私が反論しようとすると、岡西がこちらを振り返った。
「直接見なければ、平気なんでしょ?」
未来人はこくりと頷く。
「たぶん平気。付いてこさせればいいんだから、囮作戦もできると思うよ」
そうか、ならいいか、と、私は納得した。
未来人の言葉には、不思議な説得力がある。
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