過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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41: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/04(土) 22:43:57.09 ID:VUzEAQad0

 ここから小学校まで、距離はだいたい500メートル。

 小学校からここは見えなくて、少なくとも二回曲がった、200メートル先の駄菓子屋の前まで行かないと、屋上にいる岡西に見つけてもらうことはできない。

「まずは、曲がり角ギリギリまで行こう」

 私は右脚を庇いながら、2人に肩を借りて歩いた。

「後ろを振り返ったらお終い。私が匂いで化け物とのだいたいの距離を測るから、私が合図するまでは曲がらないようにして。
 少しづつ後ろ姿を見せて、それで小学校まで連れて行こう」

 だいたいこんなことを2人に言った記憶があるが、正直、このときは3人ともほとんど極限状態で、誰もその時の詳しい会話を覚えていない。
 たぶんもっとシドロモドロに喋っていた。

 3人で曲がり角の直前まで行って、その場で立ち止まる。

 お互いの顔が見たくても、万が一視界の端に化け物が映ってしまえば大変なことになるので、ただ目線を動かすことしかできなかった。

「……近い」

 と言うか、ここまでくると、ほとんど足音が聞こえていた気がする。

 ただ、山田には聞こえていなかったらしいので、動揺から起きた幻聴かもしれない。

 3人とも、ただそこに立っているだけなのに、まるでマラソンの後のように、息を不安定に荒くして、鼓動を早めていた。



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