過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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47: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/04(土) 22:56:26.94 ID:VUzEAQad0

 放課後、いつもより少し短く感じた授業の後、私たちは教室に残っていた。

 私は3人に、昨日の後のことを尋ねた。

「あのあと、誰か運んでくれたの?」

 中村と山田は、揃って首を傾げた。

 2人もあの後のことはあまり覚えていないらしく、気がつくと家にいたらしい。

 山田は親が起きる前に着替えて、見つからずに済んだそうだが、中村は夜に出歩くな、と親に怒られてしまったそうだ。

 岡西は、少し離れたところでカメラの写真をチェックしていた。

「岡西は?」

 中村が尋ねると、「うーん」と曖昧な返事をしてから「夜の屋上、すごかった」と、聞いてもいない感想を述べていた。

 こちらにカメラの画面を向ける。3人で揃って、心臓が止まりそうになる。

 屋上から撮影した、夜の街。

 今思えば綺麗だったけど、その時の私たちからしたら、恐怖の対象でしかなかった。
 今でもその画面が思い出せるのだから、その時思い出した恐怖は並々ではなかったはず。

 私は立ち上がろうとして、ふと違和感がないことに気づいた。

 そういえば、朝起きた時、枕元に松葉杖が置いてあった。
 昨日、放り投げてしまったはずなのに。

「誰か取りに行ってくれたの?」

 山田と中村は当然首を振ったし、岡西もそれは本当に知らないようだった。

 まあ、あとで未来人に聞けばいいや。

 私はそう思った。


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