過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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5: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 19:58:37.80 ID:Nr4cjnOQ0
 未来人は、物を移動させるマジックが得意だった。

 彼女は「ザヒョウヘンコウ」と呼んでいたけど、初めてそれを聞いた私たちには、それは難しすぎたので、単に「ザヒョウ」と呼んでいた。

 一度、「ザヒョウ」を目の前で見たことがある。
 中村が学校に来る前にたまたま捕まえたカブトムシで、それは行われた。

 見ていたのは、中村と、川田と、岡西と、私だった。

 私は、川田のお気に入りのヘアピンの話を聞いていたら、珍しく未来人が放課後に活動を始めたので、少し驚いていた。

 川田はよく飼育小屋のにわとりに餌をあげてる、おとなしい女の子だった。

 岡西は小学生のくせに高そうなカメラを持っていて、その日は偶然カメラを持ってきていたので、

「決定的シュンカンを撮る!」

 と鼻息を荒くしていた。

 私たち3人が机を囲むと、彼女はカブトムシを白い両手で包んだ。

「つぶすなよ、おれのカブトムシ」

 中村は涙目になっていた。

 未来人がなかなか手を開こうとしないので、四人でうずうずとしていると、彼女は突然窓の方を見た。

「あ、UFO」

 私たちはつい窓を見てしまい、慌てて目線を戻すと、既に彼女は両手をパーにしていた。

 そして、そこにカブトムシはいなかった。

「おれのカブトムシ」

 中村は悲しそうに言った。

 岡西は、カメラで撮れなかったことを悔しがっていて、川田は、お気に入りのヘアピンを手の中で弄りながら「すごー」と言っていたけど、
 私は、どうせマジックか何かだろうな、と思った。

 カブトムシは2、3分もするとどこからか帰ってきて、中村を元気付けていた。



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