過去ログ - 世にも奇妙な346プロ
1- 20
146:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:37:17.68 ID:kE3bTgvP0
「まーまーみんな、落ち着きなよ♪」
「彼の犯行とは一概に言えないかもしれないぞ」
「犯行どころか、『犯人がいない』かもしれないねー♪」

俺を囲むアイドルたちの後ろから2人の声がした。
光明が差したようにすら思えた。

一ノ瀬と池袋。この事務所きっての頭脳派で、一ノ瀬は研究者とアイドルの二足の草鞋を履く。
2人のいきなりの登場に渋谷が何か言おうとしたのを池袋が遮る。一ノ瀬がそれに続く。

「ルミノール、指紋、DNA……どんな方法で調べてみても彼の痕跡は仁奈と千枝のものからしか出てこなかった」
「千枝ちゃんのは指紋すら出てこなかったから、きっとどこかで『近くにいた』だけなんだにゃー」

「針に付着したと見られる、呼気や皮膚からの気体代謝物に含まれる生物学的痕跡から、彼がどの針に干渉したのかは大体わかった」
「でも結論『無理』だねー。針を仕込むのにしたったってここまで完璧に痕跡を小さくするのは……
手間と時間とお金がかかる。一晩でここにいる全員のロッカーに十分な針を仕込むのは時間の制約上物理的に絶対無理♪」

「さらに面白いことに、針が何処で製造されたのかを針の成分を見て推測したのだが……」
「どれもこれも『つい最近に出来たばかり』だったよ。『作られた』んじゃなくて『出来た』ね。これすっごいんだよー♪」
「数年の誤差はあっても、ほぼ全てが物性的に同じ性質を示すとなると話は別だ。これは『人為的に再現不可能な現象』だと言える」

ぽかんとした俺らを尻目に一ノ瀬は

「と、いうわけで飽きたからシキちゃん達帰るねー♪」

と言って足早にこの場を離れた。

「あっ、おい志希!」

嵐のように現れて嵐のように去っていった2人の背中を俺らの目線が追う。

入れ替わるように現れたのは。



「……私だ。◯◯はいるか?」



専務だった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
326Res/202.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice