276:名無しNIPPER[saga]
2017/03/07(火) 16:02:00.79 ID:PbcgpHwu0
「茄子さん、ですよね?」
私は今、事務所の屋上にいる。
あの後、取り乱した私をほたるちゃんが連れ出したのだ。
屋上は柵が古くなっているらしくて、直すまでは立ち入り禁止になってはいますが、今の状況ならむしろ好都合、誰にも聞かれずに話すことができる。
目の前には私の身体になっているほたるちゃんがいる。
「ほたるちゃん、よね?」
「………はい」
どうやら、私とほたるちゃんは入れ替わってしまったみたいです。
「どうやったら元に戻るのかしら」
「………私はこのままでもいいです」
「え?」
信じられない言葉が聞こえた。
「このままでもいいって………」
「だって、プロデューサーさんの恋人になれたんですよ?なら、このままの方が私はいいです」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「プロデューサーと恋人になってるのは私の身体、鷹富士茄子なんですよ!?」
「そんなのほたるちゃんだってーーー」
「それでもっ!!」
「っ!?」
「それでも、私はプロデューサーさんと一緒になりたいんです」
「茄子さん、本当にありがとうございます」
「今まで不幸なことばかりでしたけど、私、やっと幸せになれるんです!」
そう言ってほたるちゃんは屋上から出て行った。
「待って!」
ガチャガチャッ!!
「なんで!?」
不幸なことに、屋上の出入口のドアが開きません。どうやら鍵が壊れているみたい。
この事務所は7階建て、屋上から助けを呼べば誰か来てくれるはず………!
そう思って屋上の柵に少し体重をかけて下を見たその時ーーーー
バキッ!!
「え?」
突然の浮遊感、とっさに逃げることも出来ず屋上から下に落ちていく。
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