過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/03/11(土) 11:33:49.01 ID:23pDOjCz0
「鷺沢さ……文香さん。テレビで貴女の姿を一目見た時から心奪われました。スポットライトの下で躍動する長く美しい黒髪、汗を流しながらも観客に向ける向日葵のような笑顔、吸い込められずにはいられない宝石のような瞳の輝き」
「……ッ!!?」
夢の中にいたようであった鷺沢さんがついに目覚め、その両目が驚きから大きく見開きます。
頬は羞恥で染まり、恐怖からかその身を硬直させ、ただじっと私の言葉を聞き入ります。
「私は貴女を最初、女神だと思いました。そして木陰で涼みながら、一つ一つのページを噛みしめるように穏やかに、そして慈しむように読み進める貴女を見て、今度は森の妖精だと見紛いました」
「あ……ァ」
消え入りそうな儚げな音色。
ですがこの程度では悪漢は物怖じしませんし、周りの人も危機に気づいてくれません。
練習でできないことは本番でもできません。
怯えきった彼女に申し訳ないと思うものの、心を鬼にして最後の言葉を告げます。
「神秘的な美しさを持つ貴女にたいして恐れ多く、身の程知らずとはわかります。ですがこの想いを秘めたままでは、いつ胸が張り裂けるのだろうと気が気でなく、迷惑であるとは思いましたが想いを告げさせてください」
「――愛しています」
思えば女性に告白するのは、練習だとしても初めてです。
演劇だと思わないとやれなかったとはいえ、こんな告白を現実にする男が日本にいるのでしょうか。
ともあれ、全力を出し切りました。
鑑定は如何に?
「ふ……」
鷺沢さんはよほど恐ろしかったのか、今にも涙がこぼれそうなほど瞳を潤ませ、恐怖にわななく唇をかすかに動かします。
その頬が赤く染まるのは羞恥と怒り、そして決意からなのか。
あと少しで言える、頑張ってくださいと胸の中で応援していると。
「不束者ですが……よろしくお願いします」
まったく予想外な返答がこぼれ落ちました。
「あっ……」
「鷺沢さん? 鷺沢さんしっかり!?」
極度の緊張で限界に達したのでしょう。
意識を失って私の胸に倒れこんできたのを、慌てて支えます。
どうやら告白までするのはやりすぎだったようです。
気を失うほど緊張して、あまつさえ告白を承諾までしてしまうのですから。
ともあれ鷺沢さんを医務室に連れて行かなければなりません。
彼女の華奢なのに柔らかな感触のする体を、意識せまいと努力しつつ持ち上げ廊下へと進むと――
「あ――」
「橘さん?」
タブレットをこちらに向けていた橘さんと出くわしました。
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