過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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266: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/03/11(土) 11:35:07.90 ID:23pDOjCz0
「こんな風にプロデューサーさんに抱きかかえられるだなんて……まるで、物語のお姫様になったかのよう」

「さ、鷺沢さん!?」


首の後ろに両手を回されました。
もはや言い訳などできない完全なお姫様抱っこの体勢です。


「プロデューサーさん……プロデューサーさん♪」

「〜〜〜〜〜っっっ」


あまつさえ彼女は私の肩に頬を寄せ、陶酔しきった甘い声で囁くのです。
骨抜きにされるという言葉の意味が、ようやくわかりました。
私はプロデューサーだから、彼女は今正常な判断ができていない夢うつつの状態だから……そんなお堅い理性が次々と溶け、このまま二人だけでどこかに行きたいという願望がふつふつとわいてくるのです。

舌を噛み、かろうじて持ちこたえます。

正気に戻ると次の問題があることに気がつき、そちらに視線を向けます。
実に満足げな表情をした少女がいました。


「さて、と。用事があるので失礼させてもらいます」

「用事とは……何でしょうか」


ジリジリと後退する彼女を追いかけたいものの、鷺沢さんは未だ夢うつつの状態で手を離すわけにはいきません。


「いえ、たいしたことではありません。ただ人の彼氏に手を出さないように、貴方と仲が良い人たちにこの証拠映像を見て頂こうかと」

「まっ……」


待ってくださいと言う間もなく。
彼女は猫を思わせる俊敏さで飛び出し、曲がり角へと姿を消してしまいました。

いつの間にか幸せそうに、穏やかに寝息を立てる鷺沢さんを抱きかかえたまま、ただ見送る以外に私にできることはありませんでした――


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