過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/02/18(土) 10:48:38.31 ID:NfQFDkL+0
「あ、どうも。いいですか? このカワイイボクにいたずらされるというのは、とても幸せなことなんですよ。途中で気づいたのなら、むしろ喜んで受け止めるべきでしょう」
その場合、私が輿水さんに抱きつかれることになったのですが。
「輿水さん。貴女はアイドル、いえそれ以前に年頃の女の子なんです。みだりに男の人に抱きついたりなどしてはいけません」
「フフーン。これはプロデューサーさんのためにしたことなんです」
「私の?」
これはまたどんな理論なのかと、腰をかがめて聞くこととしました。
「プロデューサーさんが近頃、考えなくていいことを考えていると友紀さんからうかがいました。なんでも女性にアプローチすることに慣れようとしているとか」
……どうやら、姫川さん経由で私の事情を把握されているようです。
ただ姫川さんはだいぶ酔っておられたので、どのような伝わり方をしているのか少しばかり不安を覚えます。
「プロデューサーさんは仕事が第一だと考えているふしがあったので、結婚願望があると判明したのはいいことです。でも女性へのアプローチを学んだり、他の女性と親しくなろうとするのは努力の方向を間違っています」
「正攻法だと思いますが……」
「でもプロデューサーさんには当てはまりません。な・ぜ・な・ら!」
胸に手を当て上体をそらし、誇らしげで、それでいて愛らしさも持つ“カワイイ”笑顔を咲かせた。
「プロデューサーさんは元とはいえボクのプロデューサーさんなんですよ? 他の人たちと違って、世界一カワイイボクと毎日触れ合えるんです。世界一カワイイボクを見つめ、応援し、カワイがる。それ以上に女性に慣れることなんかこの世に存在しません」
「なるほど……これは盲点でした」
彼女の自信は希少だ。
本当は決して気が強いほうではありませんが、それでも自分が“カワイイ”から決してくじけない。
ともすれば傲慢へとつながり道を誤りかねませんが、本当は気が弱い彼女は悩みを抱える仲間に敏感で、これまた“カワイイ”から支えようとする。
仲間を助け、その仲間から愛され支えられている以上、彼女が道を誤ることは決してありません。
「ボクの担当を離れて一年経つとはいえ、こんな単純で明快なことを忘れるなんて本当にダメダメなんですから。それを体で思い出させようと考えて、不意を衝いて抱きついてあげようと――――なんですか、それ?」
あの輿水さんの笑顔が凍りつきました。
何事かと思えば、その視線は私の首――キスマークにあてられています。
そうでした。
輿水さんが怪我をしてはいけないと慌てて以降、キスマークを隠すことをすっかり忘れていました。
「……違い、ますよね? それって、話に聞くキスマークというものなんかじゃ……ないですよね? ボクのプロデューサーさんに、ボクのものじゃない証があるなんて……何かの間違いですよね?」
「こ、輿水さん?」
その顔は驚きによるものか強張り、かろうじて笑顔の名残りがある。それなのに蒼ざめ、唇はわなわなと震え、キスマークに向けられた指は狙いが定まり切れていない。
何より見ていて辛いのはその眼だ。
あれほど自信に満ち溢れていたのに、今は世界中から見捨てられたように弱々しい光と化している。
何が彼女をここまで動揺させているのか。
彼女は私のことを呼ぶときはよく頭に「ボクの」とつけていました。
こんな私を頼りにしてくれているとは思っていましたが、これはいくらなんでも予想外です。
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