過去ログ - 魔王「この空とともに旅をしよう」
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24: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 00:58:25.20 ID:Q8G1HzKN0
老騎士「さて、お尋ねの治安のことですが……」
男「はい」
老騎士「王国の治安はかなり悪いと言えましょう。原因は主に二つあるのですが、発端は一つですな」
25: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:00:53.09 ID:Q8G1HzKN0
男「それなら」
老騎士「戦争が収まり、混乱が顔を出したのです」
男「……」
26: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:02:49.52 ID:Q8G1HzKN0
老騎士「しかし魔界との停戦の条件として、王国に残った魔族は王国が責任をもって保護し、魔界に残った人間は魔界が責任をもって保護することも取り決められました」
男「その条件が守られなかったという事ですか?」
老騎士「いやいや、守られたから混乱が始まったのです」
27: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:05:01.02 ID:Q8G1HzKN0
男「そんな馬鹿な……」
老騎士「事実ですのじゃ。怒りの遣り場を無くした民が多いからこそ、王都の治安は悪くなり、荒廃からなかなか立ち直れません」
男「……」
28: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:06:24.21 ID:Q8G1HzKN0
老騎士「これに怒ったのが王国内の諸侯です。彼らにしてみれば、自分たちの領内の街道を国王の軍隊が進軍するなど、侵略行為以外の何物でもありませんでした」
老騎士「彼らは以前であれば教会と組んで国王を廃位に追い込んだのでしょうが、魔王戦線以降、教会は世俗に関わらなくなったため、教会をあてにできなくなりました」
老騎士「その結果、国王と諸侯、教会、有力者が集い内政の協議をする三部会の度に、諸侯は大量の軍勢を連れて王都に押し寄せ、国王に無言の圧力をかけるようになりました」
29: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:07:53.24 ID:Q8G1HzKN0
バタン!
???「大変です!」
老騎士「ノックもせずに何事じゃ、若騎士! 客人の前であるぞ!」
30: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:09:22.76 ID:Q8G1HzKN0
老騎士「待つのじゃ」
若騎士「しかし!」
老騎士「王宮にはわしが向かうとしよう」ヨイショ
31: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:11:50.52 ID:Q8G1HzKN0
若騎士「なっ……!」
老騎士「これから先、我が主は、この国の将来を誰に相談すればいいのじゃ? 誰が一緒に道を探してくれるのじゃ?」
老騎士「我が主は強い。わしらなんぞとは比べ物にならぬほどな。じゃが、武官出身ゆえ、王宮内や諸侯の権謀術数にはやや疎いところもある」
32: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:14:01.24 ID:Q8G1HzKN0
−−−−−−−
男「なかなか熱い方ですね……」
若騎士「熱いというか、暑い?」
33: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:16:28.96 ID:Q8G1HzKN0
男「でも、魔王が亡くなってから5年が経つというのに、王都は混乱の真っただ中のようですね」
若騎士「……これでも、かなり良くなったのです」
男「王都で諸侯たちが紛争を起こす状況でですか?」
34: ◆FqOZ7jTRCo[saga]
2017/02/13(月) 01:17:45.83 ID:Q8G1HzKN0
男「……」
若騎士「すいません。ついつい変なことを語ってしまいました」
男「いえいえ、そんなことはありませんよ」
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