32: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:53:28.35 ID:YuI0VY3M0
少しだけ息を切らしながら立っている彼に、私は話しかける。
「呼び出してしまってすみません。まだ少し、お話ししたいことがあったんです」
「このことは……電話では、どうしても話したくなくて。直接、お話ししたかったんです」
33: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:55:28.46 ID:YuI0VY3M0
ぼんやりと輝く月明かりの中、私達はしばらく公園の中を歩いた。
夜の公園に人影はなく、いるのは私達だけ。
踏みしめた土が立てる音だけが、辺りに響き渡る。
34: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:56:12.96 ID:YuI0VY3M0
……そういえば、確かに私から行動を起こすことは、あまりなかったかもしれない。
休日に何かをしに行くときも。
別れを告げられた……あの日も。
35: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:57:12.36 ID:YuI0VY3M0
でも……今回だけは、そうはいかない。
このことは、私がしなくちゃいけないことだから。
待ってるだけじゃダメだって、私でも分かっている。
36: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:58:15.07 ID:YuI0VY3M0
「そう……ですね。私から行動を起こす、ってことは少なかったかもしれません」
「でも、今回だけは特別です」
「……それがさっき言ってた、俺に伝えたいこと……か?」
37: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:58:57.82 ID:YuI0VY3M0
38: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/14(火) 23:59:49.74 ID:YuI0VY3M0
「……」
「いつも……私の隣に、あなたがいてくれたから。だから私は、ここまでやってこられたんです」
39: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/15(水) 00:00:32.61 ID:dgJ86wET0
「……こちらこそありがとう、千早。こんな俺に、今までついて来てくれて」
「千早とじゃなかったら、俺はここまでやってこれなかった」
40: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/15(水) 00:01:10.97 ID:dgJ86wET0
「……はは」
「……ふふっ」
41: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2017/02/15(水) 00:01:52.51 ID:dgJ86wET0
……
楽しい時間というものは、やはり早く過ぎてしまうもの。
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