9:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:20:47.34 ID:45HTUkfp0
 「ねぇ……」 
 今度はなんの期待もしていない。 
 ただただ純粋な疑問だった。 
 「なんで、私を追いかけてきたの?」 
 「えっ、そ、それは……」 
 ひとしきりモジモジした挙句、彼女はあははと笑うだけだった。 
  
 ……あぁ、好きだな。 
  
 知らず、私はチョコレートの入った袋を差し出していた。 
  
 「好きです」 
  
 「え……え!?」 
 彼女はとても驚いた様子だった。 
 「あ……えと……これってもしかして……」 
 「チョコよ。本命」 
  
 千歌さんは笑顔と泣き顔が混ざったような顔で固まった。 
 静止したような世界の中で、私の心臓の鼓動だけが耳に聞こえそうなほど鳴り響く。 
  
 泣きそうだった。 
  
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