過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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160: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/02/24(金) 22:14:44.57 ID:hqx6Yts90



マリベル「…………………。」

アルス「…………………。」

青年を残して少年と少女はそっと部屋を抜け出し、教会で静かに祈りを捧げていた。

マリベル「…ふう……。」

少女が短くため息をもらす。

*「いったい どうなされたのかな?」

酷く意気消沈したふたりを見かねて神父が優しい声色で訊ねる。

マリベル「……なんて説明したらいいか わからないわ。」

少女はありのままの気持ちを答えた。

*「ふむ…… 何があったのかは 存じませんが 悩めるときは とことん 悩むのも また 一つの道。」
*「きっと いつか それが あなたの糧になることも あるやもしれません。」

マリベル「…………………。」

俯く少女に神父は柔らかく微笑んで言った。

*「おじょうさん あなたは まだ 若い。」
*「今は 様々な 悩みに 心を痛めることも ありましょうが 人は それを乗り越え 成長していくことができます。」
*「……今の苦しみもまた 神が あなたに お与えになった 試練かもしれませんな。」

マリベル「……そうかしらね。」

神父の言葉にどこかであの恰幅の良い好々爺が腰を振っている姿を思い浮かべながら、少女は少しだけ笑みを取り戻すのだった。

アルス「……ふふ…。」

そんな少女につられて少年の顔も少しだけ明るさを取り戻す。

少年にとって今は少女が笑っていてくれることが何よりの救いだったのだ。



*「あ いたいた…。」



その時、二階から青年が降りてきてふたりのもとへとやってきた。

*「さっきは 取り乱して すいません。」

アルス「こ こちらこそ 勝手なことをして 本当に ごめんなさい…!」

*「よしてください。おふたりが 見つけてくれなければ 今頃 ミントは うみどりのエサに なっていたでしょう。」
*「それに あのコは 大好きな ひとのもとへ 帰れたんです。」
*「おまけに こんな 素敵なペンダントまで もらって……。」

そう言う青年の首にはしっかりと金の垂れ飾りが提げられていた。

*「ミントは 死んでしまいましたが ここに ちゃんと 戻ってきてくれました。」
*「ボクが 望むものは もう ありません。」

青年はそう言ってにっこりと微笑むと、その手をふたりの前に差し出した。

*「ありがとうございました アルスさん マリベルさん。」

アルス「…………………。」
アルス「……はい!」

マリベル「あたしたちからも お礼を 言わせてもらうわ。」
マリベル「……ミントちゃんを 愛してくれて 本当にありがとう。」

*「…は ははは……。」

ふたりとがっちり握手を交わし、青年は少しだけ照れくさそうにはにかんだ。

*「…………………。」

*「…うふふ………。」

そんな三人の姿を後ろから見つめ、神父と修道女が優しく微笑むのだった。





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