過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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212: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/02/25(土) 18:50:36.10 ID:HJWqesKb0

マリベル「はあ………。」



“考えれば考えるほど気が重たくなる”



少女は窓の桟に両肘を乗せてぼんやりと沈みゆく夕日を眺めていた。

すぐ近くの砂浜ではまだ遊び足りないというように子どもたちが笑い声をあげて戯れているのが見える。

マリベル「こども か……。」

思い返せば悪いことばかりではなかった。



”過去の市場で出会った母と娘”



はじめての相手にもかかわらず抱かせてもらった赤子は、まだ小さいながらも力強い鼓動で“生きている”ということを全身で少女に伝えてくれた。



“あの時の腕の感触が、命の重みが、忘れられない”



マリベル「…………………。」

いつの間にかぼうっとしていたのだろうか。

どうやら少女が考えに没入しているうちに子どもたちは親に呼ばれたのか、浜から姿を消していた。

*「にゃ〜ん……。」

そして代わりに砂浜を行きかっていたのはこの村で放し飼いにされている猫たちだった。

少女はその足取りを目だけで追いながらかの老猫のことを思い出す。

マリベル「ミントちゃん……。」

彼女もいつかコスタールの港でこんな夕日を眺めていたのだろうか。

二度と帰ることはない主人を待ち続けるその健気な背中がふと頭の中に浮かび、少女の胸を引き絞っていった。

と、その時。



*「なう〜。」

*「ごろにゃ〜ん。」



寂しげな背中に何かを感じたのか、この家に住まう二匹の猫が少女の脚にすり寄ってきた。



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