過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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214: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/02/25(土) 18:56:06.23 ID:HJWqesKb0

マリベル「あ……。」

それを目で追っているうちに少女はあることを思い出す。

マリベル「そういえば 中身 見てなかったわね……。」

そう呟いて少女は化粧台の上に置かれた垂れ飾りを手に取る。
数百年の時を経ても色あせないその小さな入れ物には、あの時と同じように“ミント”と書かれてあった。

マリベル「…………………。」

入れ物の横に彫られた窪みに爪を引っ掛け、少女は指にグッと力を籠める。



“カチッ”



高い音を立ててそれは二つに分かれた。

そして。



マリベル「あっ……!」



その中からは、最後に見た時と同じように布に包まれた一本のヒゲが出てきた。

彼女は、何百年という時を超えてここに戻ってきたのだ。

*「…………………。」

トパーズ「…………………。」

二匹の猫が、じっとヒゲを見つめて黙り込む少女の横顔を不思議そうに眺めていた。

マリベル「…………………。」

少女は一つ息をつくと、丁寧にそれを元に戻し化粧台の引き出しの中へと静かにしまい込んだ。



“コンコンコン”



*「マリベルおじょうさま〜 お夕食が できましただよ〜。」

その時、扉が軽く叩かれ、廊下から使用人の娘の声が響いてきた。

マリベル「はーい いま 行くわ!」

少女はそれだけ返すと、もう一度窓辺に立ち、消え入りそうな夕日を見つめるのだった。




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