過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/02/18(土) 22:27:34.89 ID:bzhgeXks0
アニエス「……そうそう あれから あの子は 元気にしてるかしら?」
マリベル「え ええ… たいへんだけど 充実してるって 感じです。」
アニエス「そう… それは 良かったわ。何せ すごいケガだったから 治ってからも 心配だったの。」
マリベル「アルスから 聞きました。ずっと 看ていてくださったって……。」
アニエス「いいえ とんでもないわ。私は 母親としての 務めを 果たしたまで。」
アニエス「……それぐらいしか あの子にしてあげられることは ありませんから。」
人魚は哀しそうに笑った。
マリベル「アニエスさん……。」
少女にはその笑顔が、どこかあの少年が時折見せる困ったときの顔と重なって見えた。
マリベル「……やっぱり あの人の お母さんね。」
自分の膝を見つめ、独り言のように少女が呟く。
アニエス「えっ…?」
マリベル「どうしようもない 状況でも そうやって 自分を 責めちゃうところとか……。」
マリベル「血は 争えないのね。」
アニエス「…………………。」
マリベル「でも アニエスさん。」
マリベル「彼は… アルスは あなたのこと 少しも 責めてなんて いないわ。」
マリベル「ぼくには 最高の お母さんが 二人も いるんだって…… あいつは そう言ってた。」
マリベル「…アルスは ウソなんて 言ったりしない。だから その言葉は あいつの 本心だと 思うの。」
マリベル「だから… だから そんなに 自分を 責めないで。」
人魚の深い深い青色の瞳を、少女はその翡翠色の瞳でまっすぐに見つめた。
アニエス「…………………。」
アニエス「…ふふっ。」
少年が何を以てして自分を“最高”と言ったのかはわからない。
それでも少女の言葉に、とめどなく湧き出る愛おしさに、人魚はたまらず笑みをこぼした。
マリベル「アニエスさん……?」
アニエス「ありがとう マリベルさん。」
マリベル「えっ……?。」
アニエス「私 母親として あの子に いままで 何一つ してあげられなかったから 自分は 母親失格だって そう思ってたの。」
アニエス「でも あの子は…… アルスは こんな 私のことも ちゃんと 母として 見ていてくれたのね……。」
いつの間にかその笑顔からは雫がこぼれていた。
マリベル「…………………。」
鱗に当たって水面へと落ちていったその煌めきを、少女はただ、黙って見つめることしかできないのだった。
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