過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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4: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/02/15(水) 21:11:57.66 ID:gIQCDsCn0

アミット「ところで マリベル。」

少女がそんなことを考えていた時、不意に父親に呼ばれその思考は途切れた。

マリベル「…なあに パパ?」

アミット「いや 昨日は ずいぶん 遅かったが どうしたんだ?」

マリベル「え えっと……。」

“ぎくり”と少女は思わず言葉に窮する。

アミット「まさか あの時間に 遠出してたんじゃ ないだろうな?」

そう言って父親は心配そうに少女の顔を見つめる。

マリベル「ち ちょっと そこを 散歩してただけよ。」

と、少女は半分事実を隠してお茶を濁そうとするのであったが。

*「……アルスと?」

もう半分の事実はあっさりと母親に見透かされてしまうのだった。

マリベル「へっ……?」

思わず素っ頓狂な声が漏れる。

そう、少女は時々夜中に家を抜け出しては婚約者と二人で海岸を散歩していたのだ。

アミット「……なに 別に 悪いとは言わんが あんまり カラダに 負担をかけるような ことは するんじゃないぞ?」

そう言って少女の父親はまた一口パンをかじる。

マリベル「はーい。」

少女は内心ドキッとしながらもなるべく平静を装って返事をした。



あれからというものの少女は、少年の漁の無い日は二人でどこかへ出かけたり、漁のある日は夕方や夕食後にこっそりと二人で会ったりしていたのだ。

*「まあまあ あなた。」
*「アルスと 一緒なら きっと 大丈夫ですよ。」

そんな二人を微笑ましく思いながら母親が娘をかばう。

件の少年も少女の両親とは関係も良好で、時々遊びに来ては食事を共にするなど順調に関係を深めつつあった。

一方の少女も少年の家に入り浸っては少年の母親の料理を手伝ったり父親を交えて漁の話を聞いたりと、
やがてやってくるであろう時を見据え以前にもまして親密になりつつあった。

マリベル「…………………。」

母親の気遣いに反って恥ずかしくなり、少女は少しだけ頬を染める。

*「はあ〜… わたしも はやく 素敵な出会いが したいですだよ。」

そんな少女の向かい席で使用人の娘が悩ましいため息をつく。

マリベル「……たまには 休みとって 城下町に 行ってくれば いいじゃないの。」

アミット「おお そうだな。まあ 事前に 言っておいてくれれば こっちも なんとかするから たまには 行っておいで。」

*「ほ ホントですだか!?」

雇用主の言葉に思わず娘は身を乗り出す。

*「うふふ。たまには 羽休めも 必要よね。」

*「あ ありがとうございます〜!」



何でもないような日常の中、また一つ食卓に大輪の花が咲いたのだった。





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