過去ログ - チエリエルドロップアウト
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15:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:31:55.21 ID:LGAxRdjco

 ──じゃない!!
 照れている場合じゃない!!



16:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:32:22.39 ID:LGAxRdjco
「あの、もしかして智絵里ちゃん……私が天使だと思ったから翼を?」

「はい。そういえば美穂ちゃんは翼、何枚ですか? 私は階級が低いので二枚ですけど、ミホリールちゃんならきっと十二翼の熾天使なんだろうなぁ」

「過大評価がこわい」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:32:50.88 ID:LGAxRdjco
 とにかく、誤解を伝えなければいけない。自分は天使ではないと。……智絵里が人間ではなく天使であることをいよいよもって認めないといけなくなるが。
 まさか正体がバレたからにはその人は消さなければいけない、なんてことはないだろう。……ないよね?

「あの、智絵里ちゃん。凄く言いづらいことなんだけど……」

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:33:23.80 ID:LGAxRdjco
 選択肢を選び損ねたかもしれない。
 そもそも始まりであるところの智絵里から相談を受けたという時点で選択を既に失敗していたのかもしれないけれど。
 いや、まだ希望は捨ててはいけない。
 希望というものは捨てた時点でその人間にはやってこないもの、とまで言ってしまえばそれはさすがに過言でしかないけれども、とは言え希望をしないものに対して神はきっと微笑まないだろう。
 志して目指すからこそ人の夢は叶うように、願うからこそ願い事は叶う。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:34:17.29 ID:LGAxRdjco
「ち、ちなみに残念なことってどんなことなのかな……?」

「……上司からのお叱りと始末書です」

 残念なことになるのは智絵里だった。


20:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:34:43.59 ID:LGAxRdjco
 さて、智絵里の始末書が決定してしまったところで話を再び元に戻すことにしよう。智絵里の翼が黒ずんでしまっている理由が何なのか、という話題に。
 ……まさか自分の人生の中で天使から翼が黒ずんでいるけれどどうしたらいいだろう、なんて相談を受ける日が来るとは美穂はこの日まで露ほどにも思っていなかったであろうが、人生とは往々にして思うようには進まないものである。


21:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:35:10.19 ID:LGAxRdjco
 とは言っても、そもそも翼が黒ずんでしまうシステム自体が美穂には理解の外であり、だから相談を受けたところでどうしようもないのかもしれないけれど。
 しかし智絵里が困っているということは確かなのだろうし、人間である自分には理解できないかもしれないけれど、それでも何か力になれればとは思う。


22:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:35:36.81 ID:LGAxRdjco

「実は翼が黒ずんでしまうことに──穢れてしまうことに、心当たりがないわけではないんです」

「そうなんだ! その心当たりって?」

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:36:04.36 ID:LGAxRdjco
 禁忌とまで言うほどの恥ずかしいことって一体。
 とは言え、それでは話が進まない。言いたくないことであれば無理に聞き出すようなことなんてしないほうがいいのかもしれないけれど、しかしそれではわざわざ美穂に相談をした意味がなくなる。
 美穂も頭を悩ませる。
 さて、どうしたものか──


24:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:36:30.60 ID:LGAxRdjco
「李衣菜ちゃんのことを好きになってしまったなんて、言えませんっ!」

 油断していたらハードパンチを喰らってしまった、みたいな感覚だった。
 藪を突っつけば蛇が出るとはよく言うけれど、藪を突こうか考えていたら向こうから襲いかかってくるなんて思いもしない。それもとびきりの大蛇だ。


25:名無しNIPPER[saga]
2017/02/16(木) 23:36:56.29 ID:LGAxRdjco
 いや、美穂がそう言った嗜好に対して差別感情があるわけではない。もちろん理解できているのかと言われるとわかっていないし、そもそも美穂は恋愛感情というものをはっきりとわかっていない。
 自覚症状のない病状のように、誰かを想っていることはあったとしても、それをはっきりと自覚するほどではない。
 だから智絵里がはっきりと李衣菜のことを好きだと言えることに対してはむしろ凄いことだとすら思っている。


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