過去ログ - モバP「理想のアイドルが欲しい」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/02/17(金) 22:41:48.37 ID:gv0pEbdy0
事実、シンデレラプロジェクトは軌道に乗ったとは言いづらいのが現状だった。知名度はあがりつつあるが、ニッチな人気を得ているに過ぎないと言われても何も返すことが出来ない。シンデレラプロジェクトを一人で担当している、プロデューサーである俺の心労は計り知れないものになっていた。

どれくらいの人に頭を下げただろうか、数えることは出来ない。事あるごとに飲んでいるスタドリも、体が慣れ切ってしまい効果は感じられず、焼け石に水だ。体を覆う倦怠感。日に日に減っていく睡眠時間。そのくせ、アイドル達はレッスンには励んでいるが楽しそうに、いや、楽に人生を過ごしている。疲れ切った頭は俺に、「なぜ、こんな奴らのために俺が身を粉にせねばならんのだ」と、プロデューサーにあるまじき考えを吹き込むようになっていた。

ここが自分の限界なのだろうと薄々悟りながらの日々は、俺を先の見えない闇へと静かに誘導していった。

「お前らはいいよな、顔可愛いから頑張ればそれが報われてファンがついて応援されてなぁ、俺はどんなに頑張っても報われないんだよ」

気を抜けば、口からそんな愚痴が溢れ出そうだった。それは、Pとしての自分の地位の全てを壊すに十分な代物であったし、言ってはいけない、抱いてはいけない感情であることは理解していた。
分かっている、わかっているのだ。今の自分は完全にプロデューサー失格だ。いや、人間としても失格だろう。しかし、些細なきっかけで、この感情を吐き出してしまいそうだった。

じっと耐えていても現状は変わらない。女上司の威圧が胃をきりきりと締め付ける。。アイドル達の無邪気な笑顔全てが刃物のように刺さる。売り上げの伸びない新譜。心無いネットの罵声。居場所がなくなる。心が壊れる。



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