過去ログ - 「出席番号25番、長富蓮実」
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22: ◆dXKFUjF45.[saga]
2017/02/26(日) 23:57:12.00 ID:FGcGHTA4O
『初恋を知らず、いつもレモンの香りがして、トイレにも行かない、清純な少女』

あの頃はそうだった。
いまは違う。
そんなものファンタジーだと、みんな知っている。
だからアイドルはテレビで己を晒し、笑いに変えるようになった。

だけど長富蓮実は『そうあろう』としている。
トイレを我慢するあまり、膀胱炎でも患うかもしれない。
そんなもの、物笑いの種だ。
だけど、あり得る。
それが彼女の『芯』だからだ。

本物の芯は、嘲笑を恐れない。
蔑まれても、曲がらない。
たとえ小さな半径だとしても、綺麗な円を描く。
古いか新しいかなど、彼女にとっては『3年前に食った晩飯』程度にどうでもよいことなんだろう。

「島根県では、ありがとうを『だんだん』って言うんです」

柔らくて優しい微笑みをたたえる『新しい教え子』に目をやりながら、本気でそう思った。


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