過去ログ - 「アイドル水木聖來、スタートアップ」
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17: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/02/20(月) 23:17:40.33 ID:G5GC7UEv0



その後、プロデューサーさんから今日のお仕事について説明を受けた。

なんでも、うちの事務所に所属するアイドルのライブが今日あるらしいんだけど、そのバックダンサーの子が一人倒れたんだとか。

その情報をどこからか掴んだプロデューサーさんは、今日欠員が出ることを見越してアタシにその子が担当するはずの三曲を練習させたみたい。

急にそんなことを聞かされたアタシは、どう答えていいか分からなくて、突っ立ったままでいるとプロデューサーさんに声をかけられる。

「さて、この仕事。受けるも受けないも水木さん次第だ。水木さんはどうしたい?」

そんなの聞かなくったって決まってるでしょ?

「踊りたい」

アタシの返答を聞くと、プロデューサーさんはにっこりと笑う。

「なら、決まりだ。ちなみに、リハで一回合わせてもらえるけど、ここでその時間まで最終調整をしてくれて構わない」

「それってあとどれくらい時間あるのかな」

「移動時間とかも考えると……ここで練習できるのは2時間半、ってとこかな」

「分かった。任せて」

「ああ、任せた。何か欲しいもの、ある? 軽くお腹に入れるものとか」

「んーん。持ってきてるから平気。……あー、でも一個お願い、いいかな」

「いいよ」

その返事を聞いて、アタシは鞄から小さなポーチを取り出してプロデューサーさんに投げた。

「何、これ」

「わんこに餌、あげといて!」

「水木さん、こういうのは……。それに、俺も男だし」

「信じてるから、ね?」

「そうまで言われちゃ、断れないか」

「じゃあ、ヘマした方が晩ご飯おごり!」

「どちらにせよ、おいしいお店は予約しとくよ」

「あれー? アタシの家で何するつもりなのかな?」

「いや、そういう意味じゃなくてだな?」

「ぷっ、あははははは。わかってるよ。大丈夫だって」

「もう、あんまりからかわないでくれ」

「ごめんごめん。はー、笑った笑った。今ので緊張抜けちゃったよ」

「何よりだよ。なんか釈然としないけど」

「あはは、じゃあ、何かおまじないみたいなの、かけてくれる?」

アタシがそう言うと、プロデューサーさんは少し考えた後に、アタシをくるっと回す。

何されるのかな、って思ってたら背中をぽーんと、押された。

「行ってらっしゃい」

「ふふ。行ってきます。……あ、それとさ。『おかえり』のときは"水木さん"じゃなくて、セイラって呼んで欲しいな!」



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