過去ログ - 肇「変わり始める日へ、或いはごっこと呼ぶ日へ」
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13: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/02/28(火) 20:06:32.00 ID:NqVZ2v2AO





「で、肇はそれでいいんだね?」


「はい。私は、これからもソロで活動していくつもりです」


「なら、肇の意思を尊重するよ」


書類を担当のプロデューサーに渡し、またレッスンルームに向かいます。
もっと、もっと。
上手くなって、上を目指して。
その為にも、頑張らないといけませんから。


「あれ、まだ人が…」


珍しく、他の誰かが残ってレッスンをしているみたいですね。
ドアを開けると、一人の女性が鏡の前で踊っていました。
綺麗な長い髪を揺らし、まだあまり上手とは言えないステップを踏んで。
汗が顔を流れるのにも構わず、必死そうな表情で。


「…あ、おはようございます」


「おはようございます。ええと…」


「鷺沢、文香です…」


綺麗な方ですね。
それに、一人で残って苦手であろうダンスを練習だなんて。
きっとこの方も、目標があって。
その為に、頑張っているのでしょう。


でも…


「無理は良くありませんよ。随分と必死そうにしていましたが、笑顔を保つ事も大切です」


「…そう、ですね…少し、休憩しましょうか…」


座って水分を補給する鷺沢さんに代わって、私が鏡の前に立ちます。
たんっ、たんっ。
何度も練習したダンスを、さらに完璧に。
何度も何度も繰り返して、積み重ねて。
おかげで、失敗する事なく、笑顔を崩す事もなく。




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