過去ログ - ウルトラマンオーブ 【僕たちの翼は真っ白】
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:28:12.29 ID:aSwZMWdb0

 僕はぼんやりと空を見ていた。非の打ちどころのない深い青空だった。
 あの色を言葉に表すならどうなるだろうと思いながら弦を弾いていた。

 その中に飛行機を発見した。小さな小さな黒いシミだ。
 咄嗟に僕は異変を感じ、演奏に集中した。あれを見続けていたらきっと失敗してしまうと思ったからだ。

 キィィィィィン……という遠い音が聞こえた。ハウったのではなかった。その音は遠かった。
 僕は恐る恐る手元から目を上げて、再び空を見た。シミがさっきより明らかに大きくなっていた。

 ゴォォォォォオ……という低い音が聞こえた。それはまさしくジェット機の音のようだった。
 僕の中で何かが切れた――のだと思う。風介が何か叫んだ気がした。でもそれは聞こえなかった。
 歌が止まった。ドラムスの音がゆっくりと減衰していった。ギターだけがマイペースに響いていた。

「ヘイレン……」

 僕は驚いてルリ子の顔を見た。彼女は空を見上げて、顔色一つ変えずにそう呟いた。
 やっとギターが止まった。観衆にざわめきが走る。彼らも背後の空を振り返る。

 シミはもうシミではなかった。それは確実に影だった。
 戦争でも始まるのかと僕は思った。しかし最初にロックフェスに爆弾を投下する戦闘機なんて存在するのだろうか。



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