30: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/02/25(土) 15:42:06.71 ID:rlcca1EQ0
千早「弟は、私の歌が好きでした。私が歌うと、よく笑ってくれました。そして、私の歌う姿を、よく絵にしていました」
千早「私はいつも、弟と遊んでいました。私も、弟のことが大好きでした」
千早「…ですが、弟は交通事故で亡くなりました」
P「えっ…」
千早「ある日です。私たちは庭先でボールを使って遊んでいました。不意にそのボールが道路の方に出て、弟がボールを取りに行こうと外へ飛び出しました」
千早「そうしたら、丁度自動車が走っていて、自動車が、弟を…」
俺は黙って、千早の言葉を聞いていた。いや、何も言えなかった。
千早「弟が亡くなってから、家がおかしくなってしまいました。いつも両親が喧嘩していて…」
千早「喧嘩が始まると、私はいつも自分の部屋にこもって、喧嘩が収まるまでベッドでうずくまっていました」
千早「そんなある日、私は歌のことを思い出しました。弟が亡くなって以来、歌を歌ていなかったことを…」
千早「弟が…優が、好きだった歌のことを…」
P「それで、千早は歌を…?」
千早「…はい」コクリ
千早「私にできることは、歌を歌うことしかないと思いました。それが、弟のために出来ることなのだと…」
千早「歌だけが、私が生きている意味を教えてくれるのではないかと…。そう思って、私のために、そして弟のために、ずっと歌を歌い続けていました」
千早「…でも、その歌にさえ、私は見放されたみたいです」
55Res/36.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。