6: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2017/02/25(土) 15:51:53.91 ID:d5PWy65G0
あたしは木の床にはっつけていた額をさすりながら言った。こりゃ、うかつにコスプレとか思えないなぁ……
「まだ伏せたいの」
「やっぱり疑ったことよりコスプレの方に怒って「伏せ」あーごめん!だからやめて!」
お姉さんに……いや、ミケツさんにコスプレ呼びは禁句のようだ。
「そ、それでそのミケツさんなんの用であたしをここに?」
二度目の伏せから解放されてから、あたしは改めて聞き直した。
「用があるのは私ではないわ」
ミケツさんは済ました顔で言う。
「それじゃ、どうしてあたしはミケツさんの家に?」
「それは、あなたが『気に入られた』からよ」
「気に入られた?なんか神社でも同じこといってたけど、どゆこと?」
「あなたは『気に入られて』しまったのよ。私のようなものよりかもはるかに大きな存在にね」
「えーっと、結局、そのもっと上の神様に気に入られてしまったからここにいるってこと?」
「そういう解釈で間違いはないわ」
「その、上の神様ってのは誰なのかわかる?」
「わからないわ。ただ人間を神格化させるほどの力よ。天地創造に関与していた神かもしれない」
「天地創造」
「ええ、天地創造」
出てくるキーワードがいちいちでかすぎて想像しづらい。
「天地創造に関わる神の名を一つずつ上げていこうかしら?」
「そういうことじゃないから。あとナチュラルに心読まんといて」
「……ナチュラル?」
「ああ、神様だからそういうのは疎いんか……あれ?でもコスプレは知ってたような」
「ボケよ」
「ボケかい!」
無表情でボケられてもわからんわ!
「ごめんなさい」
「だから心読むな!」
あたしは途方もないものに巻き込まれていることに気付きだした。目の前のミケツさんだけでもとんでもないのに、これよりもっと上の神様に気に入られている。
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