過去ログ - 【ダンガンロンパ】霧切「探偵だけではない青春」3
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◆AZbDPlV/MM
[saga]
2017/02/27(月) 13:36:09.14 ID:/Z5QAp8Q0
視線を下げると不二咲さんの頭頂部があって、胸の内からわっと込み上げてくる言葉にできない昂ぶる感情に、体と喉が震える。華奢な不二咲さんの体を抱きしめる。
不二咲 「あ、あの…や、やっぱり恥ずかしいよ…」
霧切 「ええ…でも、私はとても幸せな気分だわ」
手を握ったときよりも近い距離、ぬくもりに、確かな安心感と幸福感…よく“このまま時間がとまってしまえばいいのに”というけれど、自分がそんなことを考えるような時がくるだなんて思わなかった。不二咲さんを好きになってから、自分がしらない自分を掘り起こされていく。
心臓の脈打つはやさは息苦しさを感じるほどにまで加速する。なんだか目眩がしそう。
不二咲 「……スゴく…照れくさいや…」
霧切 「やっぱり不本意だったかしら…ごめなさい」
霧切 「でも、私のわがままに応えてくれてありがとう」
後ろ髪を引かれる思いもあるけれど、不二咲さんから体を離す。
不二咲 「不本意じゃないよ。でも、心の準備が不充分だったから…」
不二咲 「霧切さんって、大胆っていうか、情熱的っていうか…」
頬を赤く染めて気恥ずかしそうに顔を俯ける。本当に私は…不二咲君を困らせてどうするの…っ!!
迷惑かもしれないと思いながら、自分の欲求を最優先にする女なんて最低じゃない!!
不二咲 「でも、今精一杯に感情をみせてくれる霧切さん、スゴく可愛い」
不二咲 「僕のこと、こんなにも想ってくれてるんだなって」
不二咲 「今までみたことない霧切さんを、たくさん知れた」
不二咲 「今日はありがとう、霧切さん」
顔をあげた不二咲君は笑顔でそう言ってくれた。本当に優しい人。だから歯止めもきかずわがままになってしまう。甘えてしまう。
どれだけ恋しくて愛おしくても、自分の気持ちを強いてしまっては、彼を押し潰してしまう。それはしたくない。
霧切 「それは私も同じだわ」
霧切 「そしてありがとう、不二咲君。おやすみなさい」
不二咲 「おやすみなさい、霧切さん」
不二咲 「またこんど、僕から誘うから」
名残惜しいけれど互いに離れると私は部屋へと入り、笑って見送ってくれる不二咲君に手を振った。不二咲君が振り返してくれるのを認めてから扉を閉めた。
しばらく閉じた扉を見つめてから、今日、不二咲君がプレゼントしてくれた時計に目を移す。
まだやまない高鳴りといっしょに今日1日、不二咲君と過ごしたことを反芻すれば、頬が緩んでしまう。ずっとずっと幸せで、楽しくて、暖かい、愛しい時間だった。
けれどその分、最後にやってしまったわがままを反省する。
未熟な私の恋はまだスタートを切ったばかり。学ばなくてはならないモノが、もうひとつ増えた。
けれどもそれは、好きな人と自分のために大切なモノ。好きなだけではその先へは進まない。不二咲君が今のままの私に、限界や終わりを感じてほしくないから。
霧切 「浮かれてばかりが恋ではないものね」
霧切 「でも…この先ずっと、不二咲君の側にいられますように…」
柄にもなく、腕時計に願ってみた。自分らしくない自分の行動がおかしくて、思わずひとり笑ってしまった。
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